2019年9月の搭乗記です。
ロシア極東のハバロフスクから東京成田までS7航空で帰ります。
ハバロフスクってどこ???
地図を見ての通り、ウラジオストクから北へ500kmほど行った都市です。
すぐ西には中国の東北部黒竜江省。ハバロフスクから西へはアムール川が中国ロシア国境として流れています。
アムール川はここからウラジオストクのほうではなく、北へ流れて間宮海峡あたりで海に至ります。
ウラジオストクからハバロフスクにかけてずっとおとなりに中国が寄り添っているので、いつか中国からロシアに陸路で入ってみたいですが、なかなかこの辺の国境は難易度が高いですね。まず、鉄道が走っていない。
ウラジオストクから西へ2時間ちょい行ったところには鉄道で国境を越えられるらしいですが、その前後の区間がハードなので結局使うには至りません。
ウラジオストクは日本からeビザで行けるようになり、最近にはANAもJALも就航し、日本人にとっていきなり身近な旅行先となって有名ですが、今回はハバロフスクです。
地図を見ての通り、北海道よりも全然北にあります。今回は9月だったので全然大丈夫でしたが、日本の夏よりはまぁ涼しい気候でした。夏は快適そう。
一方冬のロシアといえばそれはそれはもう大変な寒さなのでしょう。冬は来たくないですねぇ。
我々はウラジオストクから、ロシア鉄道の夜行列車に一晩揺られてハバロフスクへやってきました。
ウラジオストク~ハバロフスク間を運航している005/006列車「オケアン」号です。
詳しい記事はこちら。
ちなみにここからロシア鉄道ずーーーっと乗っていれば、モスクワまで行けます。7日くらいかけて。最近モスクワ~ウラジオストクを通しで運行する001/002列車は新しい車両が入ったらしいのでいつか乗ってみたいです。
ちなみにハバロフスクからはモスクワ~平壌の国際列車も出ています。2週間に一本。
北朝鮮!!!
北朝鮮の国際列車は、ロシアからの平壌行きのほか、中国の北京~丹東経由の平壌行きがあります。
線路的にはソウルから都羅山~開城の国境を通っていくものもつながっていますが、情勢的に走れません。
さて、
ウラジオストクへは、eビザで行けるため手軽ですが、我々はハバロフスクにたった1泊するために来てしまったため、ビザ申請が必要でした。
旅行より前に、都内のロシア大使館へ申請と受け取りで二度足を運んでお金も払ってやっとロシアビザを手に入れました。
なので、なかなかロシア旅行は普通の人は行く気にならないのです。
ハバロフスクでは、たぶんいちばん日本人が泊まりやすいアムールホテルというところに泊まり、ロシア料理を満喫して、翌朝今回のフライトを迎えるわけです。
それにしても、ほかのいろいろな国を旅行してきましたが、極東ロシアはとっても観光するには大変です。
大変なお話は以下
公共交通機関は、ICカードがない。というかまず公共交通機関はソ連製とかのレベルでボロかったりする。
鉄道とかバスの時刻表がGoogleと連携していない。
UBERが使えない。タクシーアプリはほぼタクシーが走ってないし捕まえてもなぜかそのあと拒否られる。
(ウラジオストク空港は)鉄道が一日五本で時刻は不明、タクシーは永遠につかまらない。
LINEが規制されてて基本使えない。
英語が全然通じない。
というかまず文字が読めない。
公衆トイレが全然ない。
特にタクシーはやばいです。タクシー使えないとめんどいです。
ロシアの入国時は、ウラジオストク空港に夜着いたのですが、ウラジオストク行きの電車の最終は一日五本なので当然行っちゃってて、バスもアテにならないのでタクシーを探すわけですが、空港にあるタクシーカウンターはめっちゃ混んでて30分並んでも全然進みません。かといって、タクシーアプリでは空港周辺でタクシーは全くつかまりません。
結局空港の外にいる怪しいタクシーと交渉して乗りました。時間が惜しいので。これ以外にありません。
そんな感じで大変なロシアですが、
メシはうまいし、日本から近いのに日本じゃなさ過ぎて新鮮で楽しいです。
さて、当日の
2019年9月17日月曜日のお話です。
ハバロフスク空港はウラジオストク空港よりもアクセスしやすいです。
まず市内から近い。一本道です。車なら15分くらいで行けます。
西側のアムール川の河岸にあるチアトル・ユノヴォ・スリテリャってところから乗りました。てかロシア語読めないのでバス停は完全にGPSだけを頼りに。
宿泊していたアムールホテルにはトロリーバスが来ないので、このバス停までは別の系統で行きました。
このバスに乗ります。ボロさがヤバい!
車内。ボロさがやばい!
バリアフリーとは無縁。
この左側の席に集金係が座って、発車後歩き回って、新しく乗ってきたお客さんからお金を徴収します。
ハバロフスク市街地はトロリーバス、路面電車、バスがまぁまぁな頻度で走っており、町も碁盤の目のようになっているので、わかりやすく観光ができます。
バスは、韓国の中古車のほかは結構新車が導入されていて、環境にやさしい電気バスとかもあります。
一方で、路面電車とトロリーバスは、30年前のソ連のままの今にも崩れそうなクソボロい車両が走っています。これがオタクにはたまりません。バリアフリーとは無縁です。めっちゃ揺れます。
ちなみに、これは、どっちかの車両が壊れたっぽく、けん引してました。
トロリーバスや路面電車の乗り方は単純で、バス停や電停でそのまま待って、来たら乗ります。
乗り込むとしばらくするとお金回収のおばちゃんがやってくるので、そこでお金を払います。現金のほか、コンタクトレスのクレカが使用可能です。
支払うと、薄っぺらいレシートみたいなチケットをもらえ、これが支払った証になります。
ICカードとかは全く導入されていませんが、タッチのクレカで払えるので、それを持っていけばめっちゃ便利です。実質PASMO。
途上国(言い方悪いけど)では、ICカードとかの導入コストをかけるより、既存のシステムをささっと使ってクレカのタッチ払いとかのほうが導入しやすいんでしょう。
タッチのクレカといえば、オーストラリアのシドニートレインとかも、オパールカードという専用のICカードを導入していますが、そのほかにクレカをタッチしてもそのまま電車に乗れます。空港に着いた外国人とかは、クレカでそのまま電車に乗れるのがだいぶ便利だと思います。
で、オーストラリアでは持ってたので実際に使ってみたりもしました。
けど、オパールカードのほうがだいぶお得です。日の上限や週の上限や日曜日の上限の金額が設定されていて、それを超えて乗るとどれだけでもタダなのです。特に日曜日は確か上限2ドルくらいなので、150円でどこまででも乗れます。
さて、トロリーバスに乗り込んで、タッチで支払いたかったものの、日本に帰る前にロシアのお金を減らしたかったので現金でお支払い。
ボロボロの30年以上前と思われるバスに揺られて空港へ。バスなのにトロリーバスなので音は電車。
トロリーバスって聞いてもパッとしない人もいるかも。
電車のように架線から集電して走る電気バスです。架線の下でしか走れないので、ルートは限られます。
海外は割といろんなところで走っています。近場だと上海とかはどんどん新しい車両のトロリーバスも走っています。
一方で日本はといえば、立山黒部アルペンルートの全区間地下トンネルの立山黒部貫光でしか走ってません。公道には走っていないので、教習所の教本にはあるけど学科では扱わない項目です。
トロリーバス、エコです。が、ロシアのに限るとボロすぎてコスパはよくなさそうです。
バスで30分ほどで空港に着きます。下道の路線バスで30分なので市内からは相当アクセスがいい空港だと思います。
空港の中にバスロータリーみたいに入って行って、そこでトロリーバスがグルって回って折り返します。
日本の地方の駅前?って思うくらいのさびれた感じのバス停で、本当にここが国際空港なの???ってなります。
ただ、広い広いロシア。極東の二番手の都市として、極東各地や中央ロシアへの路線が小型機で飛んでいるほか、首都モスクワへはアエロフロートの大型機が数往復しています。
モスクワとハバロフスクは7時間くらいかかります。国内線なのに。ロシアは広い。
そして、国際線ですが、小型機ばかりですが、ソウル仁川、東京成田、北京首都などのほか、なぜかタイのバンコクスワンナプームにも飛んでます。
ロシア人ってタイによく観光に行くんですかね?バンコクやプーケットにはロシアから多くの飛行機が飛んできます。暖かい場所を求めているのでしょうか。
あと、韓国人はたしかロシアはノービザ入国が可能で、ウラジオストクとかは特にソウルからも近く、日本人よりも韓国人のほうが多いです。
月曜日に乗ったのも理由があり、週3便のみの運行です。
S7は日本路線は本数は少ないものの就航都市は増えていて、成田からウラジオストク、ハバロフスクのほかにも、イルクーツク、ノボシビルスクに就航しています。
特に、ウラジオストクは、羽田、成田にデイリー、関空にも週数本飛んでいます。
コロナのおかげで全部パーですが。
今回乗るのはその中で比較的レアなハバロフスク便です。
空港について、立派な国際線ターミナルを発見したので、そっちに行って中に入ろうとすると、なんと扉が開きません。意味が分かりません。
空港の目の前まで来て扉が開かないなんて聞いたことありません。
すると、後ろから工事のおっちゃんが、「こっちじゃないよ」的なジェスチャーをして、別の方向を指さします。
そちらには、事務所のような二階建てのぼろい建物が。
は?っと思いつつそっちに歩いていくと、まさかのそのぼろい建物が、国際線ターミナルでした。
立派なターミナル!と思いきや未開業
あっちの国際線ターミナルは建設中のニューターミナルだったっぽいです。中のカウンターの電気とかもついてて稼働間近だったぽいので騙されました。
クソぼろい建物の入り口で、まずパスポートチェックがあります。成田行きの搭乗客以外はそもそも建物に入れないようになっていました。このあたりである程度日本語が聞こえてくるようになりました。
そこをくぐると、ひたすら一列の列が続きます。うろおぼえですが、たしかチェックインカウンターの前に荷物検査があり、そこを通ります。
空港の入口。国際線に乗るにはこのドアしかありません。ちっちゃ。この時間は成田行きだけ。
そのあと、チェックインカウンターが横一列で4つくらいあります。これがこの空港のすべての国際線チェックインカウンター。全部S7の成田行きのチェックインです。
ってか同時に2本以上の国際線を発車させられないようなターミナルの構造ですね。これじゃ。
一応、奥のほうがワンワールドの上級、ビジネスクラス用のカウンターになっていましたが、利用者はほとんどいません。
ちょいちょい並んで、荷物を預け、チケットを発券し、チェックイン完了。
チェックインを終わった人から順に少しずつ出国審査に流れていくので、出国審査は当然ながら並びません。
ささっとロシアの出国スタンプをもらい、建物の二階へ進みます。
地方のフェリーの待合室みたいな感じのところにベンチと売店が並んでいます。一便分の人がここに来たらもういっぱいになるくらいのキャパです。
この奥には、しょぼいですが、ラウンジがあるので入ります。
同行者は生意気にもビジネスクラスに乗ってたのでインビテーションで入場。私はPriority Passで入れました。
S7航空ですが、ショボいけどワンワールドなんです。なので、ワンワールドの特典でビジネスクラスに乗れるのです。
全機小型機で、ビジネスクラスも一応あるちょっと幅が広い程度の座席。
機内食はショボく、預け荷物も有料な、ほぼLCCな感じですが、ワンワールドです。
これがハバロフスク空港唯一のラウンジです。
そして、この空港の待合室ですが、なんと、ボーディングブリッジはありません。
飛行機に乗れません。
時間になったらまた1階に降りて、出国審査を通過した直後の位置からバスに乗ります。
この空港で国際線は必然的にバス搭乗になります。
奥には、モスクワへ出発するロシア航空の747-400が。元シンガポール航空機です。
そのあと、モスクワから到着する777-300が。こちらは元エミレーツ航空機です。
モスクワとの需要はまぁまぁあるようで、大型機がバンバン数往復飛んでいます。
が、あちらも全部沖留め。国際線だろうが国内線だろうが全部バス搭乗なのでしょうか。
こちらのバスは空港の端のほうまでひたすら走り、緑色のA320の横に着きました。
快晴のもとに映えるグリーンの機体!
屋根のない開放的なボーディングブリッジから搭乗します。
雨だったら地獄だろうなー、と思いつつ、空は快晴です。
本日のフライトは、ハバロフスク11:55発成田13:35着です。
ハバロフスクは、日本より一時間早いので、日本時間でいえば10:55発です。
なんと、ハバロフスクは大阪くらいの経度なのに、日本よりも一時間早いのです。単純に、同じ時間に起きれば一時間早起きしている感じです。時差って不思議。
そう考えると私の生活時間は自然に規定されているというよりは、タイムゾーンに規定されているのですねぇ。
夜12時って言われれば寝なきゃいけない気がして寝るっていう感じ。
中国とかウルムチも北京時間だからそれに合わせて生活して不思議な感じになるんだろうなぁーっとか変なことを考えます。
で、ハバロフスクから成田までは時刻表上でも2時間40分で着くわけです。
実際の飛行時間は2時間ちょいです。日本の国内線に毛が生えた程度の所要時間でロシアから日本に行けるわけです!すごい。
ウラジオストクだったらもっと近いから2時間を切るわけです。ヤバい。
皆さん!ロシアはすぐそこまでやってきています。ロシアに行きましょう。
今回のフライトの詳しい時間は全然覚えていませんが、11:50くらいにはドアが閉まったはずです。
で、南側に回って、12:04に05Rから北東方向に離陸しました。
今航空写真を見たら05Rって書いてあったけど、05Lは見つかりません。
ハバロフスク空港は誘導路一本滑走路一本だと思っていたので不思議です。
離陸後は、ぐるっと旋回して南に向かいます。眼下にはロシアの針葉樹林や沼みたいなのが広がります。
たしか、通路側に座ってたのであまり細かく外は見れませんでした。
離陸から一時間ほどたったころ、ロシア時間13時、日本時間で12時になったときくらいに、機内食が配られます。
ワンワールドメンバー、S7航空の機内食ですが、いろいろなサイトで酷評されていたので全然期待していませんでした。
噂によると、パサパサで口の水分が奪われるサンドウィッチが出てくるとのことです。
実際は、まぁコンビニサンドウィッチ程度のサンドウィッチが出てきました。
うーん。これならコンビニで買えばいいかって感じのもの。
これが、ワンワールドに加盟してる航空会社の国際線機内食だ!!!
同時にドリンクも配られます。もう覚えていませんが、写真を見る限りこれはオレンジジュースを頼んだっぽいですね。
このころにはおそらくもう日本海上空を飛んでいたっぽいです。
ルートとしては、ハバロフスクから南東へ進み、緯度的には稚内の西のあたりで、ロシアの大陸から日本海へ出ていきます。そこからは日本海を南に進み、山形県の酒田市あたりで日本の陸地へ差し掛かります。
機内食後の写真を全く撮っていないので、まったく覚えていないですが、特に何のイベントもなかった気がします。2時間の平凡なフライトなので。
到着後のフライトレーダーの写真をのっけておきます。
こんなルート
成田空港に北からアプローチするルートは、基本的に福島県のいわき市上空から茨城の太平洋岸を進んでいき、滑走路へ向かうというのが定番です。
なので、酒田からはまっすぐ仙台、いわき、水戸というルートで上空を飛んでいきます。
成田空港は混雑すると手前でだいたいぐるぐる旋回させられたりもしますが、今回は割とスムーズに飛んでいき、銚子のほうへ回ってから九十九里から再び陸地に入り、34Rにアプローチをします。
日本時間で13:20に成田空港のB滑走路に着陸しました。
定刻は13:35なので順調に到着です。
2時間16分のフライトでした。
飛行中のイベントが本当に機内食しかない平凡なフライトでしたが、あほみたいに文章を書いていたらここまでで7000文字近くなりました。
空港に着いたら、第二ターミナルなのですぐかと思いきや、B滑走路横を2500m戻り、さらに到着ゲートはサテライトの一番南側だったのでさらに進みます。
たしか、一番端の98番あたりに到着しました。
降りた後がまた長いのです。
まず、サテライトの中心まで数百メートル、5分近く歩き、サテライトから本館に向けてまた5分近く歩きます。
やっと本館の入国審査。日本人は顔認証ゲートであっという間。
そのあと、荷物をピックアップして、税関をササっと通り、成田空港到着!!!
たしか、この時点で14時くらいになっていました。
機内食が食事といえるほどの量じゃなかったので、第二ターミナル4階のレストランへ。海鮮丼食べました。おいしい。
さらに、アライバルラウンジでビールも飲み、日本を満喫します。
別に、ロシアには3泊しかしてなかったので、日本食が恋しかったわけではありませんが。
カードラウンジのくせにビールくれるんだぜー
そのあとは、今は名前が変わってしまった、1000円バスのアクセス成田で東京へ戻りましたとさ。
JRバスで帰宅!