へんな旅行記

乗り物オタクが脳内で思ってることを全部垂れ流すブログです。

中国の夜行列車!上海南→重慶北 Z257次軟卧乗車記

夜行列車に乗りたかったので、中国にやってきました。

 

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この国はめっちゃ広大で1日に数百本の夜行列車が国内を縦横無尽に駆け回っています。長いものなら2日以上60時間とか走行するものもあります。さらに北朝鮮やモンゴルやロシアやベトナムや香港やカザフスタンといった海外へ直通する列車まであります。とにかく、半端ないんです。

高速鉄道網も今では日本の何十倍にもなってすごいのですが、依然として客車の夜行列車網もすごいです。ちなみに高速鉄道にもついに寝台付きの夜行列車が登場したりしてもう鉄道好きには天国なのです。

 

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こーーーんな長い客車列車が数千本
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こーーーんな新幹線も数千本

毎日走ってます。

 

そんな数ある列車の中から今回乗るのは、上海南発重慶北行きZ257次。

東京から鹿児島より距離がある(要出典)この区間をたった17時間で結ぶ列車です。客車ですが最高速度160キロでぶっ飛ばします。速いけど線路もしっかりしているのでそんなに揺れない。

Zで始まる列車は客車の中でも最速の160キロに対応している直達とよばれる種別で、停車駅も少ないです。客車は25T型という新しいもので車内は快適です。

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25T

 

今回予約したのは軟卧。二段寝台で、一番グレードが高いです。ほかには三段寝台の硬臥や座席車の硬座もありますが、快適に過ごしたいし、コンセントや洋式トイレも備わってることから軟卧にしました。

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快適快適。

 

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三段寝台はこんな感じ。別日に乗りましたが寝るだけなら全然快適です。プライバシーはありません。

 

一編成だいたい18両くらい繋いでる中、真ん中に一両か二両配置され、この列車では二両ありました。おとなりは食堂車です。下段と上段では若干値段が違い、下段にはテーブルとコンセントが備わります。寝るとき以外は上段の人が下段に座るのは暗黙の了解なので、不快に感じる人は上段の方がいいかもしれません。

 


さて、乗車当日は上海南駅19:09発なので18:30前には入場しました。安全検査と身分証確認があったあと、さらにもう一度乗る前に身分証検査があります。なので中国の鉄道に乗るなら早めに駅に着く必要があります。発車は上海南駅ですが、上海にはほかにも上海駅や上海虹橋駅があり、上海駅は北の方へ向かうものを中心にした長距離客車列車や高速鉄道が頻繁に発着し、上海虹橋駅は各方面への長距離高速鉄道の一大ターミナルとして大量の列車が発着していて、さらには巨大空港まで隣接しています。

それらに比べるとこじんまりした上海南駅は列車本数も少なく、1時間に3本ほど。南の方へ向かう列車が中心です。そんなこじんまりとはいいながらもめっちゃでかい上海南駅に入場すると、構内にはケンタッキーなどがあり乗車前に購入可能です。

 

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列車ごとに待合室が決まってます。1列車あたり数百人が乗るものの、発車前までホームには入れないので巨大な待合室が必要なのです。


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かっこいい


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まるーーーいデザインの上海南駅舎。


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社会主義核心価値観のプロパガンダは、パワーポイントで流してますw

 


19:09発の列車の改札は割と早く18:40頃にはじまり、列車に乗車したあと記念撮影へ。北京とかだと列車の先頭を撮ってたら怒られることもありましたが、上海は割とウェルカムで、写真撮りますって言ったらOKと言ってくれました。

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こいつが重慶まで牽引。
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巨大な発車標が中国の特徴。

 

 

乗車改札は5分前には締め切るので、人が乗り切ったら発車時刻よりちょい早く発車することもあります。この列車も19:08には発車しました。全く揺れを感じさせないスムーズな発車で客車の快適さを感じます。

列車は体感で最高速度の160キロでずっと飛ばしていき、1時間半ほどで大都市の杭州の中心駅、杭州東駅に着きます。めっちゃ巨大駅でこの列車は28番線に着きました。

ひっきりなしに高速鉄道が発着していて、この列車が着くときは、上海虹橋から深圳方面へ向かうCRH1Eの寝台新幹線と並走していました。杭州東の駅を出ても30秒に一回くらい反対列車とすれ違います。半端ないです。

 

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深圳方面へ向かうCRH1Eと併走し、駅に到着。向こうは24番線。
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杭州東28番線に停車中。

 

そして、杭州の町はめっちゃすごくて、上海ほどではありませんが無限にビルが並んでおり、同じ形のマンションも無数にあり、底知れぬ大きさです。杭州から列車は西へ針路をとり、金華方面へ向かいます。ひたすらぶっ飛ばして走って途中駅ではのろい別の客車列車を抜かしたりしながら。

 


寝台の布団は上段に下段の分もまとめて置いてあります。なのでめっちゃ上段はふわふわで下段は何もない状況。これもやはり下段はみんなで座って使うことを想定しているのでしょう。夜出て朝着くだけじゃなくて昼間も走る列車も多いからですね。実際乗っている重慶北行きも重慶北に着くのは12:49で、夜が明けてから昼間も走ります。

寝台にはポットがあり、車端部に給湯器があってお湯を部屋に持ち帰れます。カップ麺を食べれるのです。まぁ、となりに食堂車はあるし、しょっちゅう弁当の車内販売やお菓子やおもちゃの車内販売も回ってくるので事前に何も用意してなくても問題はありません。

 

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ポット。もう一つのトレーはゴミ入れみたいです。下にもゴミ箱。
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二人分の布団は上段に。
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ベッドに寝たらこんな感じの視界。
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このLEDは有益な情報を流しません。

 

杭州を過ぎて義烏、金華と停車していくともう夜11時近くになったので寝ます。金華の次は朝4時台に着く武昌まで止まりません。

 


車両の端にはトイレが二つと洗面台が三つあり、そこで身支度を整えて、寝ます。

 

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翌朝目が覚めると、宜昌東の手前でした。だいぶ遠くまでやってきました。ホームにはCRH2Bや、CRH5A、CRH380AL、CR400AFなど、中国高速鉄道のスターが集結していました。この辺りは高速鉄道がメインなのでしょう。

 

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CRH5A

 

この駅を約15分遅れで発車し、ここからは高速鉄道の線路を在来線のこの列車が走ります。線形がいいのでずっと最高速度でかっ飛ばします。高速鉄道の最高速度は250キロでこっちも160キロくらい出し、停車駅は少ないのでなかなか所要時間でもいい勝負をしています。

当然すれ違う列車は高速鉄道のものばかりで、こっちも新幹線かと錯覚してしまいます。そして、線路がいいので最高速度で走っても全然揺れません。

ここで、せっかくなのでお隣の食堂車へ行き、朝食をいただきます。よくわからないけど美味しいやつと、麺がセットで20元でした。

 

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朝食はこれのみ。
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テーブルクロスは毎回変えてくれるので綺麗です。

食堂車の職員が端のテーブルでスマホ充電しながらいじってるのが良くも悪くも中国らしいです。

 

 

朝起きてからのこの区間は、新幹線用に作られた真っ直ぐな新しい線路なのでずーっとトンネルだらけです。電波もほとんど入らず、正直つまらないです。走っていくと9:30頃に最後の停車駅恩施に着きました。外に出ると結構冷えています。霧の影響でしょうか。

 

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朝のホーム

 

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ちなみに軟卧の廊下はこんな感じ。ここの座席から外を眺めるのが夜行列車の醍醐味ですね。

 

このあとは、昼の到着までまだまだあるので、二度寝をします。よく眠れます。

ちなみにここから重慶までは3時間半ほどですが、普通にまだ東京名古屋くらいの距離が残っています。はんぱないです。けど新幹線の線路なのですぐに着くわけです。

 


車内のトイレも利用してみましたが、紙はありません。洋式なのは軟臥車のひとつのみです。トイレは、汚物と言うよりはタバコの臭さの方がまさります。

 


外を眺めながらパンを食べたりして暇を潰し、11時ころ石柱県駅に運転停車しました。高速鉄道を3本先に行かせます。めっちゃ来ます。ド田舎なのに。そして山の中のド田舎なのに斜面にでっかいマンションが立っています。日本じゃありえない所でも人が沢山住んでいるわけです。

 

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おとなりから2Aが先に出発。

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別日に撮った2A

JR東日本E2系と全く同じです。

 

 

石柱県から再びトンネルをひたすら超え、お昼の12時を過ぎたら重慶にだんだん近づいてきます。

右からくる達州方面から来る高速鉄道の線路と合流し、重慶郊外のマンションも見えてきたらもうそこです。重慶北駅始発と思われるCRH3Cと並走しながらだいたい12:45には重慶北駅に着きました。こちらもめっちゃ大きい駅で、20本以上のホームがあります。今は工事中で、出口は北広場と南広場に分かれていて列車の到着ホームによってどっちかにしか出れません。この列車は北広場側に着いたのでそのまま北広場に出て、重慶モノレール3号線へと乗り継ぎ市内へ向かいました。

 

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終点重慶北の7番線到着。


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北広場。
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世界最長の8両のモノレールが重慶3号線。

 

ちにみに途中最大15分ほど遅れていましたが、終点には4分早着でした。これで17時間以上にわたる夜行列車の旅終了です!