へんな旅行記

乗り物オタクが脳内で思ってることを全部垂れ流すブログです。

大阪→上海 上海フェリー蘇州号乗船記

数ヶ月ぶりの中国へ向かうため、今回選んだのはなんと、船です。大阪から上海までなんと52時間かかる蘇州号に乗って上海へ行くことにしました。

 

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こんな船。

 

なぜ船旅???かと言うと、大学生のうちは暇だから。働いたらなかなかこんなことできないでしょたぶん。

ちなみに飛行機に乗れば東京から上海は3時間くらいで、大阪からならもうちょい早いです。しかも本数もめっちゃあるので飛行機の方が圧倒的に便利です。普通の人は飛行機に乗る方がいいでしょう。

値段を比較しても飛行機はLCCなら片道2万もしないし、エアチャイナとかのフルサービスでも往復なら4万しないくらいで予約できちゃいます。もちろん荷物機内食とか込み込み。一方船の方は一番安い二等室で燃油代と出国税込みで学割21000円です。

関東に住んでる私が大阪まで行って、飛行機より同じか高い船に乗るメリット皆無です。ただ、暇だから乗っただけです。

ちなみに、中国語の予約サイトのctripから蘇州号を予約しようとすると650元と出てきました。日本円で1万円くらい。めっちゃ安くね?半額やん。予約した後に見たのでこれは試してませんが、これで予約できちゃうなら何かのバグでは?やる人がいたら試してみてください。うまくいけば蘇州号に半額で乗れますよ。今回は大人しく日本語の蘇州号公式予約サイトから予約して、口座振り込みで乗船代を払いました。

 


蘇州号は片道3日かかるので、週1往復で運行され、大阪発は金曜日です。それに合わせて大阪へ向かいました。ちなみに、大阪上海間はほかにも新鑑真号という船もあり、あちらは確か火曜日発です。大体設備は同じで値段も同じくらいだったはずです。けど、新鑑真、いい名前です。遣唐使もこの新鑑真号に乗っていれば荒れ狂う東シナ海で難破したり、鑑真が失明したりしなかったことでしょう。彼らは惜しい。

 


さて、大阪へ向かうのは羽田からANAの特典で。なんと、この日は羽田の第二ターミナルが断水していて大変な日でした。座席は非常口。767なので足伸ばし放題の快適な旅です。羽田から伊丹までたった1時間です。飛行機速い。あと2時間くらいさらに乗れば上海も行けるんですけどね。不思議な旅。

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とりあえず伊丹へ


で、木曜日に大阪着いたので、京都まで戻って一泊し、翌朝は京阪特急で淀屋橋御堂筋線で本町と乗り換え、中央線でコスモスクエアへ。

コスモスクエア駅から上海行きのフェリー乗り場までは徒歩で15分ほどですが、無料バスが船の運行日には20分間隔で出ています。

10:05くらいに駅に着いて、バスは10:20。ちょい待って乗ります。我々以外に誰もいませんでした。

 

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10:25にフェリー乗り場に着き、名前を告げると、最後から2番目の到着だったようです。ギリギリ感はありますが、人が少ないのですぐ手続きが終わり、荷物検査もすぐに終わり、10:30の搭乗開始にはこれでも余裕でした。で、搭乗開始したらみんなゆっくり立ち上がるから、荷物検査からそのままの流れで来た我々は意外と早く搭乗できるのでした。ここで出国検査です。パスポートにハンコが押されますが、一瞬です。そしたらすぐに船内へ。船の係員さんが部屋まで案内してくれました。

お部屋は一番安い二等B。男性用の雑魚寝部屋です。ここにマットとシーツがあって、好きに布団を敷いて寝るだけです。52時間も。

部屋にはコンセントが2つあるので、それを確保。別に確保できなくても廊下のものを使えばいいのですが。

お部屋はだいたい10人ほどいました。ほとんどが中国人。ちょいと西洋系の方もいます。

船全体で乗客は30人程度だと思われます。やっぱりガラガラ。

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出航は12時ですが、出航前に救命胴衣の付け方と避難場所の案内がありました。放送で集合してくださいって言われて見に行ったのですが、来てた人は半分もいないという緩さ。まぁ安全に上海に着いてくれればなんでもいいです。

11:45くらいに船は動き始めました。隣にいるのは韓国釜山行きのパンスタードリーム。あちらは船内食が豪華で、しかも格安です。乗ってみたい。大阪を昼過ぎに出て釜山に翌昼に着きます。

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あちらは釜山行き。

 

大阪港を出ると、右手には神戸の町。そして、1時間ほどして13時ごろ、まずは明石海峡大橋の下を通過します。そして、すぐに明石の天文台も見え、東経135度線を通過します。

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しばらく船内でふらふらと。船内の設備でも見ましょう。

 

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自動販売
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夜バーになるところ
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レストランの入り口
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レストランのドリンク各種
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船内中央の吹き抜け


夕方、こんどは左手に四国をながめながら高松市沖を通過していると、直島航路の船や宇高航路の船がときどき交差していきます。そんな中前方を見るとだんだんと瀬戸大橋が見えてくるのです。そして、時間帯としては16時が近くなり、冬の西日とともに瀬戸大橋がエモいコラボレーションをするのです。暫しデッキからそれを眺めていました。瀬戸大橋というのは児島坂出間の総称で、船自体はその一番南側を通過して行きました。橋を見上げると快速マリンライナーと特急しおかぜが走っているのは見えました。タイミングがいいというか、船はノロノロ走ってるので瀬戸大橋をじっくり10分以上観察できたからです。

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瀬戸大橋

 


その後は船内に戻って暇つぶし。瀬戸内海は両側に陸があるので電波は良好な区間が長く、スマホで暇つぶしが可能です。コンセントも確保したので余裕です。

 


ちなみに船内時間は2日目の夜までは日本時間です。そして、2日目の日本時間23時になったら中国時間22時に切り替えるというシステムで、3日目だけは中国時間になります。なのでしばらくは日本時間。さらに、船内通貨も日本円です。両替していく必要はありません。なお、クレジットカードは使えないので細かいお金を用意しましょう。

 


船内はレストランがあり、日が暮れたら夕食へ向かいます。17:30から19:30までの営業という結構早い時間。日本のものから中国のものまで割とバリエーションのある食事のメニューで、飽きません。この日の夜はエビフライとご飯を注文。そして、ビールは免税でめちゃくちゃ安い。600mlの青島ビールが250円です。

おつまみに塩で味付けされたお肉も頼んじゃって満足です。

レストランにいる間にこんどは尾道今治ルートの来島海峡大橋の下を通過します。これ以降は関門海峡まで橋を潜りません。

しばらくは愛媛に沿って進み、そのあとは国東半島から山陽小野田沖などを通過してるともう23時を過ぎるので1日目は就寝。おそらく関門海峡は1時過ぎに通過したはずです。

 

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船内レストラン、いろいろあります

 


お部屋の消灯時間は22時と早め。この時間を過ぎるとコンセントの電源も落ちるので充電できません。

 


翌朝は、7時過ぎに起きます。健康的です。マットが硬いからか背中が痛いですが、まぁ快適でした。なんてったって横になって寝ながら海外まで行けるなんて船がファーストクラスですからね。

朝食は7:30から8:30で、これだけ無料です。決められたセットなので選べませんがまぁまぁ美味しいです。

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あさごはん

 


二日目の朝は五島列島沖を通過しておりまだ電波が通じました。このあと9時くらいには圏外になり、一日中電波は通じなくなります。現代っ子には悲しい現実。

そして、東シナ海が、揺れる揺れる。心地よくない縦揺れと横揺れが三半規管を刺激し、見事に気持ち悪くなります。とはいっても吐き気を催すほどではなく、ただつらいくらい。なので、この日は横になってる時間が多かったです。

そんな中行ったロビーのソファでは、中国人がたくさんたむろしてるのですが、そのうちの一人が話しかけてきて、なんと日本語喋れました。この船に乗る中国人はなにかしら日本と関わりを持ってる人が多いからですね。その人は名古屋と上海に自宅があるとか言っててすげーってなりました。よく行き来してるらしい。この船で。飛行機は怖いそうです。そうでもなければ普通は飛行機を使いますからね。

お話をしたと言えば、同じ大部屋の中国人とも喋りました。こちらは親子連れで父の方が日本語喋れて、8年前まで日本に仕事かなんかで住んでいたそう。今回は息子さんとお買い物で日本へ行ったらしいです。こちらのお父さん、日本愛がすごくて、地元の呼和浩特で日本のカレーを出す店をやっているらしいです。で、日本に行くたびに日本グッズを買ってお店に並べているとか。呼和浩特モンゴル国境の近く、北京から西へ数百キロ行ったところです。上海からまだまだ長い距離ですが、大量の荷物を抱えていたので船を利用したのでしょうか。

その息子さんとは、英語と翻訳アプリを使いながら会話しました。

 


二日目は電波もなく揺れもひどくやることもないので、ご飯と会話以外は、お風呂に二回入ったり、昼寝をしたりと。横になるとだいぶ楽になります。

船内の自動販売機では、ビールが170円の免税価格で売っていて、キリンレモンの150円とわずかに20円差です。あと、カップヌードルが240円で売っており、お湯ももちろんあります。船内で食べるカップヌードルは美味しいですよー。もっとも、日本で買って行った辛ラーメンを食べたのですが。

 

売店にはなぜか白い恋人がめっちゃありました。北海道関係ないのに。ポテチとかのスナックも充実し、アイスクリームのスーパーカップもカチカチの状態で180円で売ってました。船内でアイスが食べられるのは嬉しかったです。

 

 

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ずーっとこんな風景が1日以上続きます。、

 


そんなこんなで二日目も終わり、三日目の朝目が覚めると、外にはコンテナターミナルが。上海到着の15時まではあと8時間ほどありますが、もう長江の河口まで来ていました。なのでもう揺れません。しかし、早く着いているので停泊します。結局ここで昼の12時までずっと泊まっていました。ひっきりなしにコンテナ船が両サイドを通過して行ったり、上は浦東空港に着陸する飛行機がめっちゃ来ます。ここに来れば中国の電波も入るので三日目はスマホやり放題でした。

 

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この日も無料朝食を食べ、中国人と話し、外を眺め、と暇をつぶし、お昼にこの船での最後のお食事です。最終日は定食1種類のみの提供だったのですが、めっちゃ美味しかったです。

 

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ここで停泊


13時前には長江から左へ入り黄浦江という上海市内を流れる川へ。だいたいこれでも荒川くらいの幅があります。ちなみに長江の河口は幅が広すぎて対岸が見えないほど広かったです。

 

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対岸が見えない
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比較的小さい黄浦江

 

黄浦江に入ると上海はすぐなのですが、交通量が多いのでずっとのろのろと進み、結局上海のど真ん中にある客船ターミナルには14:30くらいに到着しました。

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逆光ですが、着いたところからは東方明珠なども見え、都会です。

 

52時間揺られた船からやっと下船です。下船はなんと階段で地上に降りる方式で、大きなお荷物を持った人は大変。

そして、入国審査までバスに乗ります。バスの中数えたら30人もいなかったので、この船に乗ってた乗客の合計は30人以下なんでしょう。52時間乗っていたのでどこかで見たことのある顔ばかりでした。

バスじゃなくても良さそうですが、入国審査を済ませたあとのゾーンを一旦通過してから建物へ向かったので、その関係上隔離する必要があるのでしょう。バスをおりたところだけ柵で囲われ、外に逃げないようになってました。そこから検疫、入国審査、税関を通り、建物の外に出ると先程バスをおりたところに。うまいこと入国審査前後のルートが別れるようにバスを使っていたのでした。

 


あとは5分ほど歩いて地下鉄の国際客運中心駅へ行き、市内のホテルへ向かいました。

 

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いざ上海!!!