へんな旅行記

乗り物オタクが脳内で思ってることを全部垂れ流すブログです。

イタリアの夜行列車 Intercity Notte 774 ローマ→ベネチア 2人用個室乗車記

イタリアの夜行列車の旅!

ローマからベネチアまで行きました。

今夜の寝床

 

これまでに乗った夜行列車

客車の夜行列車に乗るなんて日本ではもうほぼ叶わない夢です。

最後に客車の夜行列車乗ったのいつだろう?って考えた時、2019年11月に上海から重慶までZ列車の軟臥で行った時でした。

ではなく、日本限定にしたら、2016年2月に札幌から上野までのカシオペアカシオペアツインの旅が最後でした。

ちなみに夜行列車最後に乗ったのは今年の三月。サンライズ出雲です。

 

中国

taiwankaeritai.hatenablog.com

カシオペア

taiwankaeritai.hatenablog.com

サンライズ

 

taiwankaeritai.hatenablog.com

 

ヨーロッパの夜行列車

そんな夜行列車愛好家の私ですが、やはりヨーロッパの夜行列車も外せません。

ヨーロッパは環境意識が高いからか?、めっちゃ鉄道網は充実しています。特に、夜行列車も国をまたいでめっちゃたくさん走ってます。

代表的なのはオーストリア国鉄のNight Jetです。オーストリア自体は小さい国なのですが、ドイツとかイタリアとかの周辺の国を巻き込んでたくさんの夜行列車を走らせてます。

 

コロナ前はフランス国内完結の夜行列車に乗りました。フランス自体は国土が四角いのでそんなに長距離列車は多くなく、夜行列車は1系統のみです。途中で分かれますが。

その時のやつ

taiwankaeritai.hatenablog.com

 

イタリアの夜行列車

一方のこちらイタリアですが、めっちゃ夜行列車があります。

国土が南北に細長いので、移動が長距離になるわけです。そうしたら必然的に夜行列車の需要は高まります。

北にはミラノとベネチア、中央にはローマやナポリ、南にはたくさんの小都市とシチリア島があるので、これらを結ぶ夜行列車がたくさん走ってます。

 

有名なやつだと、ミラノからローマやナポリを通って最南端のレッジョカラブリアまで行き、船に車体を乗せてそのままシチリア島まで直通する列車とかあります。20時間とかかかります。

シチリアまで船に乗る列車は昼行夜行含めると5往復くらいあった気がします。船に乗る客車、一度は乗ってみたい...

 

そんな感じで、シチリア直通とか、イタリアの北から南まで走り抜ける夜行列車はだいぶ長距離。

一方で、ローマからイタリア北部を結ぶ短距離列車もあります。

ローマからミラノ、ボルツァーノ(週末のみ)、トリエステまで結ぶ夜行列車が22時以降順次出発するのです。

夜出て朝には目的地に着くので、使いやすいダイヤです。ちょっと睡眠不足になりますが。

今回乗ったのは、その中のローマ発トリエステ行きです。ローマからボローニャベネチア、ウーディネを経由し、トリエステまで行きます。トリエステのすぐ隣はスロベニアです。

 

ちなみに、イタリア北部からは、さらに北へ行く国際夜行列車も走ってます。Night Jetならば、ラスペツィアからミラノとかベローナを通ってミュンヘンとウィーンまで行く列車とか、ベネチアからミュンヘンやウィーンに行く列車、ローマからミュンヘンやウィーンに行く列車が走ってます。

 

ちょっと難しい個室の予約

で、今回乗る列車ですが、

ローマテルミニ22:35発、ベネチアサンタルチア5:34着です。朝早い。眠いわけです。終点のトリエステなら9時くらいに着くんですが、途中で降りるので仕方ありません。

 

列車は6両で、座席車3両、開放寝台2両、個室寝台1両です。意外に短い。その前後に機関車が付いてます。なのでトータル8両。

今回は奮発して個室を予約しました。

 

予約方法ですが、Trenitaliaのホームページから行けます。

www.trenitalia.com

個室のお値段は一人当たり93ユーロだった気がします。意外に安い。ローマのホテルとか予約したら100ユーロ普通に超えるので、移動+宿でこの値段なら安いです。

イタリアの列車の値段は空席状況で変動する方式です。ローマからベネチア区間高速鉄道で行った場合、直前予約なら100ユーロ超えます。それから考えても安い! ただ、高速鉄道は事前に取れば30ユーロくらいでいけるときもあるみたいです。

 

予約するときの注意点ですが、個室の番号は上段と下段で離れてます。今回の場合、上段が35、下段が31です。ですが、同じ個室。

この個室ですが、二段ベッドにも三段ベッドにもなるみたいで、三段ベッドにしたときは上から、35, 33, 31になるみたいです。

ということで、車両の端から順に、5, 3, 1の個室、6, 4, 2の個室が2つあり、その隣に15, 13, 11の個室、16, 14, 12の個室...  と続いていきます。

私は35, 33, 31の個室を予約したわけです。

 

さらに、この個室はお隣の部屋とセットで取ると隣の部屋と繋げられるみたいです。ということで、35, 33, 31の部屋と36, 34, 32の部屋を同時に予約すれば、最大6人同じ個室に入れるわけですね。難しい。

 

この列車に限らず、イタリアの列車はネットで予約して、そこで出てくるPDFのQRコードさえあれば乗れます。便利。日本みたいに切符に変える必要ありません。

ということで、ネットで予約して、スマホだけ持って当日を迎えます。

 

ローマテルミニ駅へ

さて、当日の話。

当日はローマを観光して夜にこの列車に乗るという流れです。ローマの定番観光地を回り、夜はローマテルミニ駅近くでディナー。

コロッセオ

ディナー

夜行列車は22:35発ですが、そんなにギリギリにいってもしょうがないので、22時前くらいにはローマテルミニ駅に行きます。

この時間の出発列車は短距離列車が大半。夜行列車だけは遠くまで行きます。高速列車はナポリまで。

わくわくする表示

改札をくぐって列車へ

ローマテルミニ駅は改札があります。なのでQRコードをかざして入場。で、22時頃にはもう5番線に列車が入ってきてました。22時過ぎには、3番線にボルツァーノ行きの夜行列車も入線。

発見!

Trieste行き

ローマテルミニ駅は頭端式のでかい駅。客車列車は基本プッシュプルで入ってきます。なので、今回乗った列車も前後に機関車が付いてます。イタリアでは途中の駅で方向転換も多いので、プッシュプルは必須です。

Intercity Notte

列車は改札に近いほうから座席車、開放寝台、個室寝台の順。個室寝台まではけっこう歩きます。

Comfort 開放寝台車

Deluxe 個室寝台車

Deluxeロゴ

先頭の機関車

先頭の機関車

個室の設備をくまなくチェック

で、個室の車両の入り口ではチケットチェックされました。またスマホ画面を見せます。

個室車両の通路!

お隣の開放寝台車の通路

で、いよいよ個室へ。

 

お部屋は広々!日本より車体がでかいので素晴らしい。

前述のように、寝台は2段にも3段にもなるタイプです。二段目は今は真ん中にあるけど、三段にしたときには二段目はもう少し下に下がります。そして、壁にある三段目を引っ張り出して一番上の寝台にするわけです。

二段にしたときの上段の高さ。右には最上段がしまわれている!

リネン

枕元にはコンセントとかライトのスイッチとかあります。これは確かに3つあります。三段寝台用。

最上段の枕元スイッチ類

そして、上段の横には広々とした荷物置き場があります。これは、通路の上のスペースを使ったもの。

上段の横の通路の上は荷物置き場

ドアの上諸々

足元側にも荷物置き場があります

上の段にはどうやって上がるかというと、梯子が下段の横に寝かせてあります。これを立てかければ上に上れます。

こうやります これは朝の写真

ベッドがないサイドは、ちっさなテーブルがあります。

このテーブル、パカっと開いて洗面台が出てきます。すごい。しっかり水も出るので部屋で歯磨きできます。

個室にある洗面台

壁際にはハンガー

この裏のドアを空けると隣の部屋とつながります。

 

部屋のドアは中からロックできます。外からはできません。

が、建付けが悪くて全くロックできません。ロックできないと逆にドアが揺れで勝手に開いたりして大変でした。

 

発車までのひととき

列車が発車するまではまだ時間があるので、ホームをぶらぶら。夜行列車発車前ののんびりしたホームっていいですよね。

ホームに佇む夜行列車

プッシュプルなナポリ行きETR500

回送のETR1000

発車するタイミングくらいで、車掌が部屋にコンコンしに来ます。

改めてチケットの確認と、朝食の希望を聞いてくれます。個室なら朝食付き!

朝食の有無と同時に、ドリンクを選べます。当然、エスプレッソ。ここはイタリアです。

 

お隣のお部屋 お客さんが来てないときにパシャリ

22:35に定刻でローマテルミニを出発しました。

列車の車窓を眺めるときは部屋のライトを消灯したらOKです! これができるのも個室寝台列車の醍醐味。

 

ローマテルミニを出発

テルミニを出ると、左に急カーブ。すぐにローマティブルティーナ駅を通過します。この駅、ほとんどの高速列車が停まるのですが、こちらは通過。

日本でいう品川駅的な立ち位置です。

 

ここを過ぎるとフィレンツェローマ高速鉄道と在来線で線路が分かれます。こちらは在来線へ。ですが、時速160kmでぶっ飛ばします。客車列車でこのスピード、日本じゃ味わえません。

線路はめっちゃいいので揺れは少なめです。

 

しばらく爆走した後、Orteに停車した記憶があります。運転停車

時刻表上は次はボローニャまで停まりません。なので、どういうルートで行くのか気になっていたんですが、どうやらここから遠回りをする模様。

同じ列車の5月の時刻表を見てみたところ、途中フィレンツェとか経由していたのですが、4月はボローニャまでノンストップ。

ローマからボローニャに行くにはまっすぐ行けばフィレンツェ経由です。高速列車もこのルート。

フィレンツェに寄らないのは夜間の工事とかなんでしょうか?

 

ということで、ここから列車はフィレンツェ方面ではなく東海岸方面へ。

日本で例えるなら? 東京から大阪の方に行く列車が名古屋まで中央線で行くような感じ?

 

このあたりで寝落ちました。

ちょっとした衝撃で次に目覚めたのは東海岸アンコーナの近く。

正確には、Falconara Marittimaという駅です。時刻は1:23 ローマから2時間半ちょいです。

気付かなかったですが、ここで方向転換をしたっぽいです。

ココ

また爆睡。列車は東海岸に沿ってまっすぐボローニャへ。F1で有名なイモラとか通っていきます。

深夜のボローニャ

次に気付いたのはボローニャ。3:18頃です。

ボローニャ

窓越しボローニャ

おトイレに行こうと思ってお部屋から出ます。

おトイレ

で、気付いたのですがおトイレ、まさかの垂れ流し式なんですね。日本じゃもう見ないからびっくり。

便器の下に線路が見えます!!! ほんとは停車中にするのはよくないですね。

 

ボローニャは地上が在来線、地下が高速鉄道のホームです。地上のボローニャを通ったのは初めて!

ここから北イタリアの各都市へ分岐していきます。ミラノ、ベローナ、ベネチアへ。

 

ボローニャからまた寝ます。寝ないとやばいです。

ベネチアへ向けて爆走&朝食タイム

次の停車駅はフェラーラ。そのあとロビゴにも停まったはずですが気付かず。

フェラーラ

4:56にパドヴァに到着します。ここまできたらほぼベネチア。この駅で、ミラノ方面からの線路と合流します。

そして、なんと対向ホームにはNight jetが!

Nightjetかっこいい

あちらはウィーンとミュンヘンから来て、ここからミラノ、ジェノバを通ってラスペツィアまで行くやつです。

 

ところで、5:34にはベネチアに着くので、そろそろ朝食タイムです。

5:07にお部屋コンコンされました。早いですね。

朝食は、クロワッサンと、サクサクのラスクみたいなやつと、エスプレッソです。

エスプレッソは機械で入れたやつではなさそうですが、それでも朝に沁みますね~

しっかり食べます!

朝食セットです

5:15くらいにはベネチアメストレに着きます。観光地というよりは人が住んでるほうのベネチアの中心駅です。ウーディネとかトリエステへ行く列車はここから分岐します。なので、この列車もいったんベネチアサンタルチーアまで行ってから、もう一回この駅を通ってトリエステに向かいます。

 

ここまで来たら、目的地のベネチアサンタルチーア駅が近いので、降りる準備です。

お部屋の洗面を使って歯磨き。

 

絶景を眺めてベネチアに到着

そして、ベネチアサンタルチーア駅直前で、列車はベネチアの島に渡る橋を通ります。

ここで、絶景が!!!!!

夜明け前の薄明るい空と、ベネチアの海の車窓を独り占め! 朝の夜行列車から見られる最高の景色です。これこそサンライズエクスプレス???

窓の外は絶景

ベネチアの島が近づいてくるとさらに列車はスピードを落とし、分岐をたくさん渡って、駅に滑り込みます。

夜明けのベネチア

いい景色

5:34に早朝のベネチアサンタルチーア駅に定刻で着きました。ローマからたった7時間の旅。もう少しゆっくりしていたかったですね。

ベネチア到着

ベネチアサンタルチーア

列車はここで14分停まって、そのままベネチアメストレ方面へ戻っていき、トレヴィーソとかウーディネを経由してトリエステまで行きます。終点には9時頃に着くみたいです。

 

朝日を求めてベネチア観光

ベネチアに着いたら、あまりにも朝日が綺麗そうだったので衝動的に朝日が見れそうな方へ船に乗って旅立っていきました。

朝の船旅

朝日へ

そして、たどり着いたのがムラーノ島。それはそれは絶景でした!!!

絶景