引退が迫るキハ85のグリーン車を4時間近く乗りとおしました!!!
これは翌日撮影
キハ85とは?
JR東海のワイドビューひだ、ワイドビュー南紀用に製造された気動車です。
製造から早いもので30年。そろそろ置き換えの時期が近づいてきました。
このキハ85、奥が深いです。
1両単位で組めるのに加えて、方向転換もできたり、同じような車両でも細かな違いがあったり。
まず、先頭車。
非貫通先頭車が
キハ85-0
キロ85-0
どちらも前面展望が楽しめます。
キハ85-0は岐阜側にも富山側にもつく可能性があります。
一方キロ85-0は5両のみの製造で、当初南紀用に製造されたのに今はひだの富山編成専用で使われているグリーン車。全車富山側についてます。
貫通先頭車は
キハ85-200
キハ85-1100
キハ85-200はバリアフリー改造がなされていないので、バリアフリー改造車のキハ85-1100とセットで使われる車両。
キハ85-1100は車端部だけハイデッカー構造じゃなくして車いす席を追加したバリアフリー仕様。岐阜側にも富山側にもつきます。
次に中間車。
キハ84-0
キハ84-200
キハ84-300
トイレとかの設備の微妙の違いで3タイプに分かれてます。
キロハ84-0
半室グリーン車。基本的にひだに入ってます。
で、これらを組み合わせて編成を作るわけです。1両単位で組めますが、トイレの位置とか、貫通先頭車の位置とか、バリアフリー車の位置とかの関係で組み方はある程度決まってます。
まず、南紀。
南紀はというと、今はなんと2両編成グリーン車なしという超短縮編成なので、キハ85-1100とキハ85-0という編成を組んでます。単純。
増結するときは、中間にキハ84をつなげたり、キハ85-1100側にキハ85-1100とかキハ85-200をつなげて頭を連続でくっつけていったり。
繁忙期には最大6両までつなぐようです。
で、
特急ひだの編成
主に3タイプ。
1つ目は、キハ85-キロハ84-キハ84-キハ85の4両基本編成。
両端のキハ85は非貫通も貫通もあります。富山方に富山編成をつなげるなら、富山方は貫通。
岐阜方に大阪編成をつなげるなら、岐阜方は貫通。
みたいな感じで富山編成と大阪編成と繋げられるように微妙に違うタイプがありますが、これが基本4両編成。
2つ目は、キハ85-0-キハ84-キハ85-1100の3両大阪編成。
主に、ひだ25号、36号の大阪行きに使われる編成で、普通車のみの3両。大阪側は必ずキハ85-0で、高山側は必ずキハ85-1100。高山側に4両基本編成を繋げます。
3つ目は、キハ85-1100-キハ84-キロ85-0の3両富山編成。
一日4往復ある富山行きのひだに使われる編成で、唯一キロ85が使われる編成。なんと、富山行きは1両グリーン車、1両自由席、1両指定席というグリーン車比率マシマシな構成です。
岐阜方に4両基本編成を繋ぐので、岐阜方は必ずキハ85-1100です。
で、大体のひだは、3両大阪or富山編成と4両基本編成をつないだ7両で走ってます。で、高山~富山は3両、大阪~岐阜も3両です。
これが基本。
増結するときは、4両基本編成の中間にキハ84を追加したり、端にキハ84+キハ85の2両とか、キハ85の1両を繋いだりして、基本編成が5, 6両になったりします。
さらに、大阪編成、富山編成それぞれキハ85-1100側にもう一個キハ85-1100を繋ぐか、中間にキハ84を繋ぐことで3両から4両になったりします。富山とか大阪はJR西日本も絡む関係からかMax4両です。
で、増結した場合増結車は必ず指定席。
こんな感じで、キハ85にもう一個キハ85をくっつけたりします。
こうして出来上がるのが、基本編成6両と富山or大阪編成4両をつなげた10両編成。
キハ85が変態連結で10両になっちゃうのです。10両の気動車特急とかひだか、ちょっと前の北海道くらい。圧巻です。
しかも10両の中に先頭車が4両くらい入ってたりします。
イカれてます。
これは惹かれます。
そんなキハ85ですが、ついに置き換えが始まりました。
新車はHC85系。
グリーン車もありますが、キロ85のような豪華さはありません。
基本は4両、増結が2両。
キハ85は1両単位で繋げてましたが、HC85は4両基本に2両を増結する方式。
どんなにつないでも最大8両編成くらいでしょうね。置き換えのHC85系はキハ85より導入数は少ないみたいですし。
乗ったらめっちゃ快適っぽいですが、趣味的には若干つまらなくなりそうです。
で、
特急ひだのダイヤ
1日10往復走ってます。
基本は名古屋~高山。
4本だけ富山まで足を伸ばしています。
また、1本だけ名古屋~高山に併結して、大阪~高山を走ってます。
なので、今回乗るのは4本だけある富山便。
さっき言ったように、富山便にのみキロ85というグリーン車がくっつきます。
なので今回はそれに乗ります。
一方で、さっき言ったように富山編成は基本編成と高山まで連結します。その基本編成にもキロハ84という半室グリーン車がくっついてます。
ということで、一編成に2か所もグリーン車がある珍しい列車になるわけです。
7両のうち1.5両もグリーン車なのです。
ちなみにちなみに、大阪編成は普通車だけですが、基本編成とくっつくと7両のうち0.5両だけグリーン車という構成になります。
同じ特急ひだで同じキハ85で同じ7両なのに、グリーン車が全然構成違うわけです。
で、一両丸々のキロ85は3列シートの豪華グリーン車。
キロ85一択なわけです。まぁ富山まで行くのはこれだけですが。
乗ったのは、三連休初日の朝のひだ3号。
直前でけっこう席が埋まってました。
前日の時点でグリーン車は5席くらいの空席。全30席中。
この時点で一か八かでお隣が空いてるA席を予約。
まぁ結局当日は満席になってお隣にも人が来たんですけどねー
さて、当日のお話。
まずは、
名古屋へ
名古屋8:43発のひだ3号に乗ります。
が、東京に住んでます。
なので、まずは新幹線で名古屋へ。
連休なので新幹線も増発中。
臨時ののぞみ277号で東京から名古屋へ。
定期ののぞみ201号のうしろを3分差で追う列車。
で、当日はちょうどN700Sを引き当てました。なので快適快適。
のぞみ277号
東京6:45→名古屋8:20
で名古屋に着きました。お乗り換え先は8:43なので余裕あります。
名古屋で乗車
名古屋の特急ひだは11番線から出発です。
行ったらまだ入線してませんでした。
ただ、反対の10番線に面白い列車が。しなの81号白馬行き。
381系の2編成しかいないグリーン車付き付属編成のみを使った4両でした。
定期便だと一本もない大糸線直通のしなのです。
半分くらいは人が乗ってました。
ひだは基本1時間毎ですが、この日は臨時ひだ81号も挟まってます。
特急ひだ3号は8:32に東京方から回送で入ってきました。
キハ85-4を先頭にした基本編成4両に、キロ85-2を最後尾に付けた富山編成3両がくっついて7両です。両端がキハ85-0とキロ85-0で非貫通な見た目の綺麗な編成が出来上がりました。
乗り込むと、足元の広さと座席の幅に圧倒されます。バブルの頃のグリーン車って感じ。
座席は最高。ですが、コンセントとかはないので、4時間の旅にはちょいとつらい。
そして、圧倒的にでかい窓。座ったときの膝の高さより上は全部窓です。これが、ワイドビュー。
ちなみに、4時間くらい乗るのにもちろん車内販売はないので、ホームでしっかり飲み物を買っておきます。
グリーン車は当日早朝見た時点では空席があり、お隣はいませんでした。
隣来ないパターンか???
と思いつつ、名古屋発車時点では隣も後ろも空席で快適快適でした。
出発
8:43に名古屋を発車。
列車は後ろ向きに走り始めます。岐阜までの20分だけ逆向きに走るのです。岐阜で進行方向が変わってから富山まではこのグリーン車が先頭。それまでは一番後ろです。
東海道線は快調に110km/hくらいで飛ばしていきます。途中の尾張一宮も通過して、岐阜までノンストップ。
20分ほどで岐阜に着きました。9:01着。
ここですぐに方向が変わります。
2分ほど停まって、グリーン車側が先頭になって出発。東海道線の真ん中から下に降りる単線の線路へ。
これが高山線の始まり。
次は美濃太田。途中の鵜沼は一部のひだが停まりますが、富山ひだは速達便なので通過です。
この鵜沼、20年前くらいまでは名鉄から高山線直通の特急北アルプスが乗り入れてきていた場所です。今はもうそんなのない。
北アルプス、名鉄にありながら唯一の気動車列車だったり、キハ85と連結するためにおんなじ性能になってたりと、面白い列車でした。
鵜沼らへんで犬山城とかも見えます。で、意外にも列車内の電光掲示板にそういう観光案内が流れるんですね。観光特急っぽい。
あと、この区間(岐阜~美濃太田)は単線でありながら30分毎に普通列車が走り、特急も1時間毎に走ってます。なので割と過密。しょっちゅう行き違いがあります。
まもなくすると、美濃太田に到着。9:22着です。
到着直前にお隣に列車が並走しました。長良川鉄道の車両です。
なんと、2両編成のうち、前の車両がクロネコヤマトの貨客混載車でした。
高山へ向かって山奥を進む
美濃太田を出ても、お隣も後ろも来ません。
勝ったか???
って思ってしばらくするとお隣に人が来ました。残念。でもないです。
いろいろお話してくれる60歳くらいのおじさん。
お話しながら聞いたところによると、今日切符を買ったそうで、普通車が満席で、グリーン車が一席だけ空いてるからここを予約したとのこと。
つまり、この人の予約をもってこの列車の富山編成のグリーン車も指定席も満席になったわけです。
どの席を取っても結局は隣が来るわけだったのですね。まぁ変な人じゃなくてお話しできる人でよかった。
美濃太田を出ると一気に山っぽいところに入っていき、列車もノロノロ走っていきます。
しばらく走ると、上麻生で反対のひだとすれ違います。ひだ4号。
あちらは新型車両のHC85です。
ということで駅のホームではこちらのキハ85とあちらのHC85の並びを撮ろうというオタクが数名見られました。
あっちが停まってて、こっちは通過です。
こちらのひだは美濃太田から51分ノンストップで下呂まで行きます。
一部の特急が停まる白川口とか、飛騨金山とかを通過していきます。
飛騨金山から下呂は2駅ですが、特急でも20分くらいかかる山奥な区間です。
下呂に到着する直前で反対の普通列車とすれ違って、下呂には2分くらい遅れて到着しました。
10:16頃着です。
ここで、一番前の席に座ってた人たちは降りていき、下呂から別の人たちがまた乗ってきました。
下呂を出るとこんどは高山まで停まりません。
富山始発のひだ6号とのキハ85同士で行き違いです。
あちらもこちらも7両編成。
だんたんと開けてきて、飛騨一ノ宮を通過すると、ついに高山線の拠点、高山駅に到着です。
単線の高山線ですが、高山手前からどんどん線路が増えて、でっかい高山駅には一番東の1番線に到着です。ホームが改札に面してるのが1番線です。上下線関わらず特急はこのホームを使うことが多いです。特に富山便。
もう言った通り、高山は半分以上のひだの終点です。引き込み線には回送のHC85とかも停まってます。おそらくひだ1号で着いた車両でしょう。
ホームに面したのは線路は3本しかないので、折り返しまでの間、車両は奥のほうの引き込み線に入っていきます。いちいち入れ替え作業。
で、乗ってたひだ3号は高山で降りる人もちょいちょいいますが、割と乗りとおしが多いです。
一方で乗ってくる人もちらほら。
やっぱり富山編成なので。
一方、うしろ4両は高山止まりなので、切り離しです。車内にいたので分かりませんが、作業をやっていたのでしょう。
高山を発車
5分停車して、富山編成だけの3両になって高山を出発します。
ここで乗務員も交代。猪谷までの乗務です。
高山は11:03発。ここまで名古屋から2時間20分。ここから富山までは1時間28分。
半分以上来てます。
高山を出ると上枝で普通列車とすれ違い、その次の飛騨国府では特急ひだ8号とすれ違い。
ここはもう高山の北側なので、ひだ8号は富山編成のみの3両です。
このひだ8号の次は富山便はひだ14号までなくて、その14号は今乗ってる3号の折り返し。(飛騨古川までは12号もあり)
で、平地をしばらく走って飛騨古川に到着。
富山編成のほかに1往復だけひだ5号~12号がここまで来ます。
高山とセットみたいな感じでこのへんまでは街並みが続いてます。
映画君の名はでも出てきた街です。架空の糸守町への入り口のところ。瀧くんが図書館行ってたところがこの飛騨古川です。
飛騨古川を11:18に出発すると、次は山を越えていき11:54の猪谷までノンストップ。
この区間はまたまた山深くて、東海から北陸へ超えていく区間なので本数もめっちゃ少ないです。
そして、険しいのでちょいちょい自然災害にやられます。
ここ数年で何回か落石とか大雨とかで線路がやられて長期運休がありました。
今日は無事に走り抜けて、猪谷に11:54に到着。
山奥の小さい駅ですが、JR東海とJR西日本の境界。山奥の小さい駅でも、特急なので車掌と運転士がホームに待機してます。
乗務員交代です。
猪谷まで来たらひたすら富山平野に向かって下っていくだけです。ここまでで名古屋から3時間11分。
残り走行時間は36分。
そういえばこの特急ひだのキハ85系、猪谷~富山の短い区間だけJR西日本に乗り入れてますが、他にも米原~大阪もJR西日本に乗り入れ。全然違う区間で同じ会社へ乗り入れます。
さらにさらに、特急南紀でもキハ85は新宮~紀伊勝浦だけJR西日本に乗り入れてます。
同じ車両で全然違う3区間でJR西日本に乗り入れってなんか面白いですね。
さて、猪谷を出たら越中八尾まで下っていきます。
八尾までは山なのでそんなに本数はないですが、八尾からは結構本数も増えます。
八尾は12:14着。富山まであと17分。
富山到着
このあとの速星は、富山ひだ4往復のうち2往復だけが停車しますが、このひだ3号は通過。
速星を飛ばして、平地を快走し、西富山で反対から来る普通列車と行き違い。西富山を通過したら4分くらいで富山に着きます。
このへんで最後の放送が流れ始めて、右カーブを曲がると北陸新幹線&あいの風とやま鉄道と合流します。
合流地点ではあいの風への渡り線があるのですが、ひだ4本のうち、富山で折り返さずに車庫に入る便だけ渡り線を渡ってあいの風側の神通川橋梁を渡ります。
一方、富山で折り返すひだはそのまま高山線側の単線の神通川橋梁を渡ります。
この便は富山で折り返しひだ14号になるので、高山線側の橋を渡り、そのまま富山駅の高山線用切り欠きホーム2番線に入ります。
12:31に定刻で着きました。
3両編成だけど、結構な人数が降りてきました。さすが特急。
駅は最新の高架なのに、改札はなんと有人改札のみです。
そして、あいの風がメインで、高山線はおまけなので、駅の運営はあいの風。高山線の猪谷~富山はJR西日本の飛び地みたいになってるわけです。