へんな旅行記

乗り物オタクが脳内で思ってることを全部垂れ流すブログです。

オケアン号特一等乗車記と、ウラジオストク&ハバロフスク

9月中旬に極東ロシアに行ってきました。初ロシアです。

そして、初シベリア鉄道です。しかも、奮発して一番上のグレードの特1等です。

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こちらが、今回乗ったオケアン号

 

 

 

オケアン号とは

 

シベリア鉄道といえば、ウラジオストクからモスクワまで1週間かけて行く001列車ロシア号や、北京からウランバートル満州里経由でモスクワに行く国際列車や、北朝鮮からからハバロフスク経由でモスクワ行く長距離列車が有名ですが、今回乗るのは一泊のみです。

それが、ウラジオストクハバロフスク行きオケアン号。

 

車内は3等から1等までと、個室の特1等の四等級があり、さらに食堂車もつないでいる豪華列車です。なんならモスクワまで行く列車より豪華です。で、乗るのは特1等。結論から言うとやばかったです。カシオペアスイートかよって感じ。もっと長いこと乗ってたかったくらいです。

ちなみに特1等は一両だけで、6室あり定員12名。少なくとも4室は日本人がいました。

後でまた詳しく書きましょう。

 

ウラジオストク観光

 

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この日は朝少し郊外に泊まっていたので、タクシーを使えばいいところを敢えての国鉄のエレクトリーチカに乗ってウラジオストクへ出ました。時刻表が全然わからず、そもそも列車があるのかもわからず色々調べるのが大変でしたが、おおむね一時間に一本ほどは走っています。ウラジオストク空港への直通列車も一日5本ほどあります。たった5本だけど。

車内は広くて3-3の6人掛け。エアバスA320かよ。って感じ。

乗ってたら車掌の検札が来ますので切符はなくさないようにしましょう。あと、途中でギターで歌い始めるおっさんもいて、投げ銭を求めてきたりもして楽しい楽しい列車でした。


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昼間はウラジオストク観光です。

港町なので、山と海と入り乱れていい景色です。これは市内中心部のシンボル的な橋。普通に車やバスで来れますが、この下の海のところから2分ほどのボロボロなケーブルカーでも登れます。最初動いてるのかもわかりませんが、しばらく待つとどこからか係員が現れてきてお金をちょいと払って乗れました。日本円で20円程度だったような気がします。

 

ウラジオストクソ連トラムを満喫する

 

乗り物好きなお友達との旅なので、午後はウラジオストク郊外にあるトラムに乗ります。これがまた、エモい。ソ連製のボロトラムが走っているのです。

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運転台は片側だけで、終点の駅ではぐるっと180度ループ線を回ります。これは、そこで休憩している281号車。

 

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とにかくかっこいいです。ロシアのトラム。

ちなみにソ連時代に大量生産され、全国各地どこに行っても同じ型のが走っているらしいです。

そして、線路の幅が、広い。広軌です。車体幅ほぼいっぱいの線路です。日本のものの約1.5倍あります。なので、走行時も揺れが少なく快適だと言いたいところですが、写真の通り線路の状態は非常に悪く、ぼこぼこなのでゆっくり走ってもかなり揺れます。

 

このトラムに全区間乗りとおしました。20分と少し。非常にエモいです。途中からは急こう配をひたすら上ったり、真ん中編ではショッピングモールの前を通ったり。

車内には常に車掌がいます。ICカードは一切使えませんというかありません。基本現金を払います。向こうもちょうどのお釣りをしっかり用意してくれてます。ICカード導入はされてませんが、Mastercardのタッチで乗れるようで、タッチしてる人も多かったです。ただし、車掌が持ち歩いてる端末にタッチするので車両についてるわけではありません。で、Visaのタッチは持ってたのですが使えないと思ってたらVisaもみんなタッチしてました。マークはなかったのに。

なので、これからウラジオストクトラム乗る人はぜひタッチのクレカを準備するといいでしょう。海外では必須です。

 

 

トラムのあとは、バスでウラジオストク駅へ戻りました。調子悪いようでめっちゃのろかったです。車両は韓国のヒュンダイ。中古車だと思われます。

ちなみにバスは圧倒的に韓国車。乗用車は圧倒的に日本車が多かったのがウラジオストク。特にプリウスだらけです。初日空港から出るときに乗ったのもプリウスのタクシー。160キロでぶっ飛ばしました。

 

ウラジオストクからは南側へタクシーで10分ほどで平壌レストランへ。

北朝鮮国営レストランです。クレカより現金払いを推奨されます。外貨が欲しいんでしょうか。おもしろい。平壌冷麺を食べましたが、正直韓国冷麺との違いは判りません。普通においしかったです。

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北朝鮮レストラン。

 

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平壌冷麺。

 

そこから駅に戻り、駅近くのスーパーで夜食の買い出しをしました。

そして、駅でオケアン号へ乗ります!!!

 

ここからが本題!

 

ウラジオストクからオケアン号に乗車


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15両ほどある長大な列車の一番後ろ。

 

駅に入るにはまず荷物検査があります。中国みたいですね。

そのあと、ホームにおりて、車両に乗り込むところであらかじめ日本で印刷しておいたeチケットを見せて乗ります。一両に一人ずつくらい列車員さんが立っていて、すべてのドアでチェックできるのです。

 

ちなみに特1等の入り口にいた人は身長190cmくらいある超長身のロシア美女です。このあとも車内での困ったことがあったらこの方にお世話になります。

 

気になる特一等のお部屋

そして、特1等の車内写真
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乗り込むとまず部屋にはウェルカムフルーツが用意されています!

ただし、常温。食べるとき若干躊躇してしまうぬるさです。ほかにもチョコレートやお水も最初から置かれています。あとは、使い捨てではない金属製スプーン、フォーク、ナイフ。


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新聞や雑誌のようなものも最初から用意してくれています。ただし、我々は日本人なので読めません、、、


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乗車して少しすると、車掌さん?というか先ほどの美女がじきじきにドリンクのオーダーを聞いてきたので、オレンジとアップルを注文。ウェルカムドリンクみたいなものでもちろん列車代に含まれています。そしたら瓶で2本ずつもくれました。このとき、同時に翌朝の朝食の希望もとってくれました。朝食まで無料サービスなのです。すごい。

夕食は既に食べたし、夜食も用意したので、若干食堂車に行きたい欲はあったものの結局行きませんでした。10両くらい先で結構遠かったし。そして、夜8時台に出て朝8時台につく列車なので、そこまでの時間もないので。部屋で楽しむことを優先です。


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こちらはスーパーで買ってきた偽キャビア。日本円で150円ほど。何でできてるのかは知りませんが味付けがおいしいのでフツーに満足しました。グラスもそういえば車内に最初から用意されていました。すごい。


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今更ですが、入り口から撮った部屋全景。日本の車両よりもだいぶ幅が広いのでゆったりとしています。左側には大きなスーツケースや上着をしまえるクローゼット。普通のホテルサイズです。クローゼットの隣のドアがトイレ兼シャワー兼洗面所です。なんと、室内にトイレとシャワーがあるのです!!!車内なのに。

あとは、右側のソファーは背もたれを引っ張り出して倒すとそのままベッドメイキングが済んだベッドが出てきます。そして、右側上のほうの壁を引っ張り出すと二段ベッドの二段目が出てきます。後で写真を乗っけますが、マジでベッドがでかい。列車内とは考えられない快適さです。

窓側にはコンセントが一口と電気のスイッチ。これで電気を消せば者層を眺められますし、付ければ快適なお部屋に。コンセントは一口だけどタコ足配線で二人とも充電可能!

とにかく、今まで乗った夜行列車の中で一番豪華でした。カシオペアの廃止前にカシオペアツインとか乗ったんですが、その2倍くらいの居住空間です。


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こちらがお手洗い。お部屋ごとにあるのでこの車両には6つもお手洗いが。ちなみにトイレを流すボタンが見当たらなくてルームメイトはめっちゃ格闘してました(しかも大のあと)

結局、トイレの向かい側の洗面台の電気のスイッチのところにまとめて水洗スイッチがありました。難しいですね。
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さっきのトイレの写真から少し右を向いた写真。トイレの向かい側にこの洗面台があり、手を洗えます。奥に見える青いのはアメニティバッグです。この中に歯ブラシとかカミソリとかシャンプーとかいろいろホテル並みのアメニティがすべてそろってます。飛行機のビジネスクラス並みのサービスですね。最高。しかもロシア鉄道のロゴ入り。

で、さっきのトイレと、こっちの洗面を見てわかる通り、カーテンがあり、このカーテンで洗面所とトイレを隠し360度ぐるっとカーテンを回すと真ん中はシャワールームに早変わりします。よくできた構造です。

実際にシャワーを浴びてみました。さすがに列車内にある水なんて限られているので恐る恐る使います。残りどれくらいかサンライズみたいに出してくれれば分かりやすいですが、わかりません。

水圧は弱く、5分ほどちょろちょろ水を出してましたが全然お湯が出ません。諦めようかとしたら6分くらいたってやっとお湯が出ました。2人で使うシャワールームを先に使わせてもらったので慎重に。頭を洗って、体を軽く流しました。二人目も同様にシャワー使ってましたが全然水がなくなることはなかったのでまぁまぁな量があるのでしょう。しかもこの車両に6室シャワーがあるので結構な備蓄量なのでしょう。すごい。

 

とりあえず、車内でシャワーを浴びて、あたたまれること自体がすごい。最高です。冬のシベリアではしみることでしょう。

ちなみにモスクワまで一週間かけて行くときはシャワーは浴びれません。特一等がないので。ドンマイです。行きたくない。

 

どうやって予約したのか

 

で、気になるお値段です。

特1等は部屋代金ですが、日本円で3万円ちょいです。

二人で割れば一人15000円!!!

円高ルーブル安もありますが、15000円ですよ。大阪から東京までサンライズのシングル乗るより安いですからね。

日本各地で走ってるクルーズ型の寝台列車とかウン十万円しますからね。

12時間の短い旅ですが、超豪華夜行列車に乗りたい人はお隣のロシアに行くといいと思います。

ちなみに11月に中国の30時間夜行列車乗る予定があるのでまたそれも今度書きます。

 

予約はロシア鉄道の公式ホームページから直接できます。ロシア語以外に英語もあるのでなんとかなります。ただ、ハバロフスクの綴りは英語ではkから始まるのですが、読みのhで打たないと駅名一覧から出てこないのは罠です。

で、たしか約3か月前から予約できるはずです。

そして、ウラジオストクだけなら電子ビザで入国できますが、今回はハバロフスクも行くので紙のビザが必要でした。お金をたくさん払えば短期間で発行してくれます。さらにお金を払えば代行業者がやってくれます。しかし、安く抑えたかったので、自分で東京のロシア大使館に2回行き、2週間パスポートを預けてロシアビザを発行しました。

 

そんな行きにくいウラジオストクですが、たしか来年からノービザになるんだっけ?(要出典)

それで、現在s7とオーロラのロシア側航空会社のみ成田に来てましたが、来年はANAJALも就航するそうです。また行きやすくなります。

 

就寝までのできごと

乗ってしばらくしていると、先ほどの美人車掌さんが部屋に来て、グッズ販売をしてきました。

ひとつひとつのグッズを丁寧に説明してくれます。マグカップとかペンとかマグネットとか。

ロシア鉄道のロゴが入っていて、非常に良いグッズです。なのでペンを買いました!

あともう一個なんか買った気がするけど忘れたーー

 

車掌さんはもちろん英語堪能ですばらしい。

 

 

そして、そろそろ眠くなってきた時間帯なので、ベッドメイキングをしましょう。
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さっき少し書いた通り、下のベッドはソファーの背もたれを引っ張って倒すとこの状態で出てきます。シーツも枕もセッティングされているのです。さすがの構造。倒したらシーツとかもはがれない?って思うかもしれませんが、このX字の留め具があるので大丈夫なのです。

二段目も同様に、上から引っ張り出すと留め具にとめられた布団が出てきます。

 

 

ちなみに、寝間着まで部屋に用意してあります。クローゼットを開けると、バスタオルと、フェイスタオルと、足ふきタオルが人数分親切にビニール袋詰めにされていて、それとともに白い寝間着もあるのです。しかも薄っぺらいものじゃなくてしっかりしたやつ。

 

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私は二段目に寝たので、こんな高さです。

さっきの写真には写ってませんが、脚立を立てかけて上に上がります。

脚立もまたクローゼットの中にしまわれていて、これを出してつけると上に容易に上がれます。若干同行者が映り込んでますが気にしない。

 

コンセントから充電コードを伸ばせば二段目にもスマホを繋げられます。

 

あと、wifiマークもありますが、結構快適なスピードのWiFiが繋がります。

ロシアについてそもそも日本から持ってきたsimが反応せずイライラしていた私にとっては救世主でした。ただし、ロシアのインターネットではLINEは使えません。なのでVPN接続で使うことになります。

simが使えなかったので市内では、auの海外データ定額を利用してました。日本のサーバーに繋がるので中国だろうがロシアだろうがSNSが使えるので意外と便利です。一日980円はちょいと高いですがとても便利です。

 


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 特1等の通路です。

ドアから一番遠い部屋だったので人通りもほとんどなく快適でした。

 

そして、就寝。

 

翌朝の朝食サービス

 

翌朝はハバロフスクに着く1時間ちょっと前の7時ころには起きました。

なんて言ったって朝食が部屋までデリバリーされるのです。

 

で、結構待ったけどなかなか来ない。

予定の時間より遅く、ハバロフスクに着く40分前くらいに結構ギリギリでデリバリーされました。これまたロシアっぽいおいしいやつ。同行者とは違うのを頼みました。


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キッシュみたいなやつとお魚の塩漬けです。語彙力がないので料理名が分からない。

 

 


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同行者は、甘くないパンケーキ。あれにイクラの塩漬けを乗っけて食べます。

どちらも絶品でした。少し塩味が濃いくらいだけど。

 

食べ終わったらもうすぐハバロフスクです。とはいっても車窓はずっとロシアの平原。無人駅みたいなのが時々あって、制服を着た学生とかが待っています。当然ですがここにも日常生活があるわけです。そして、時々すれ違うエレクトリーチカ。

 

のろのろになり最後は8分ほど遅れてハバロフスク駅に着きました。


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ホームは低く、バリアフリーではありません。

雨が降っていました。この日の昼には快晴になったのですが。

なんと、駅にはエスカレーターがありました。ロシアでは珍しかった気がします。

 

ここで乗車記は終了ですが、ハバロフスクのエモ写真も貼るんでみてください。

 

ハバロフスク撮り鉄をする

駅からはトラムでホテルへ行き、そのあとはせっかくなので撮り鉄を。

 

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エレクトリーチカ!!!

朝は晴れてたのに快晴。

おかげで反対列車は逆光になってしまいました。

 

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007列車 ウラジオストクノボシビルスク行き

モスクワまでは行かないけどこちらも4日くらいかけて走る長距離列車です。

晴れたので逆光になってしまいました。

 

モスクワまで行くロシア号は二日に一回ですが、モスクワまでは99列車という毎日運転の列車があるほか、臨時列車があるのも確認したので意外に走っています。一日1本だとしても7日かかれば同時に14本は線路上にいるわけです。

あとは、めっちゃ長い貨物列車が1時間に数本の単位で来ます。さすが大動脈。アジアとヨーロッパの物流の核です。

 

 

ちなみに、ロシアではタクシーアプリを使ったのですが、これはひどいUber解禁しろ!

南米でもUberは問題なく使えたぞ?

 

ロシアは、

タクシーそもそもほとんどいない。

呼んでも途中でキャンセルザラ。目の前まで来て車が見えてもそのまま消えてってキャンセルも。あとは、呼んだら指定場所と違う100mほど離れたところで止まって、乗ったらいきなり意味わからないロシア語でブチギレてきたり。意味が分からない。

さらに、ハバロフスクでは、ドライバーのアプリ上のmapの行き先が突然消えて、通じ合えない英語でひたすら道案内したりとか。ヤバい。

だからといって流しのタクシーもあんまりいないし、ロシアはメーターなしの交渉制なのでまた大変。結局使ったけど。ぼられないように適切な値段を提示して。

 

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午後はトロリーバスとトラムを。

トロリーバスがまだ走っています。ぼろいです。逆に他の路線は新しい車両も結構いて電気自動車のバスとかもいました。トラムなどと同じでバスにも車掌がいて、お金を払う仕組みです。タッチのクレカも使えます。

このトロリーバス、なんと空港まで行きます。空港アクセスバスです。翌朝はこれで行きました。

 

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高低差が多い街です。トラムがその中を力強く走りますが、保線状況は相変わらず悪い。運転台が片方なのでこの写真だと後ろ側でこんな感じになります。

 

ちなみに、外食をしてホテルに戻るとき何気なく乗ったトラムが終電ぽかったです。22時くらいには終電が来てしまうので注意。早いです。

 

なんだかんだでハバロフスク、楽しい街です。普通の観光もしましたが川沿いが楽しいですよ!!!

 

ぜひ行きましょう。