へんな旅行記

乗り物オタクが脳内で思ってることを全部垂れ流すブログです。

廃止間際に札幌→上野 寝台特急カシオペア乗車記

過去を振り返るシリーズです。

 

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今は亡き

 

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これに乗りました。

別日に函館で撮った写真です。

2016年3月のJRのダイヤ改正では、北海道新幹線が開業しました!

それと同時に上野~札幌を結ぶ寝台特急カシオペア北斗星が廃止されました。ほかにも青森~札幌の急行はまなすとかも廃止されました。

 

日本から客車の定期夜行列車が消えてしまった瞬間です。

これ以降は定期的夜行列車はサンライズ出雲、瀬戸しか残ってません。

 

 

そして、

寝台特急カシオペアといえば、全室A寝台の豪華寝台特急です。全室個室でトイレ完備。

列車内のベッドで爆睡していたら北海道から東京に行けるわけです。夢のような列車です。

 

しかも、列車には今はなかなかお目にかかれない食堂車も!

豪華寝台特急にふさわしいメニューです。

 

そして、編成は1つだけ。週3回は上野から札幌へ、週3回は札幌から上野へという運行です。

 

で、豪華寝台特急で普段からチケットはなかなか取れません。

しかも、2016年3月の廃止が近づくとどんどんプラチナチケット化していきます。

 

一編成に何十室かしかない部屋を全国のファンや金持ちが一斉に狙いに行くわけです。

しかもチャンスは片道あたり週3回。

 

ヤバいです。

 

なので、カシオペアに乗るにはまずチケット争奪戦から書かなきゃいけません。

 

 

 

 

チケット争奪戦

JRのチケットはご存知の通り、1か月前の午前10時に一斉発売です。

ネットの時代ですが、基本的には駅のみどりの窓口での購入です。

 

というのも、ネットで買える列車は限られているうえ、発売開始直後に売り切れる列車をネットから買うことはまずできません。

そして、カシオペアはネットでは売ってません。

 

駅の指定席券売機で買う方法もありますが、発売開始は10時より遅いです。

そして、カシオペア指定席券売機でも売ってません。

 

 ということでみどりの窓口で買うしかありありません。

 

そして、カシオペアは10:00に発売開始で数秒で売り切れます。

まず、各駅のみどりの窓口で端末を使い慣れているプロの人がギリギリのところまで入力したうえで、10:00になった瞬間早打ちをすることでチケットを取るという仕組みです。

 で、信じられないかもしれませんが、カシオペアの廃止間際とかはだいたい全国のみどりの窓口でも毎日10:00になったらカシオペアを狙う人が一人はいるような状況でした。

当然倍率はエグい。

ソースはありませんが体感100倍くらいはあるかな?という感じ。

 

 

 

で、10時打ちというのは、駅に10時に行けばいいわけではありません。

駅によって10時打ちをやってくれるためのルールは異なります。

 

よくあるのは、始発から申し込みに来た人に順番に整理券を配って、10時になったらその順に打ってあげるというもの。いわゆる事前受付。

 

昔はこういう駅が多かったのですが、10時になった瞬間に窓口に並んでる人をいったん止めて10時打ちをしなければならないので、そもそもこの事前受付をやらなくなってしまった駅も多いです。

 

なので、確実な10時打ちのためには、まず事前受付をしている駅をリサーチし、その駅ではどういうルールで受け付けてるのかを調べることから始まります。

 

私はというと、当時神奈川県某所に住んでいたので、南武線を攻めます。

今は違うと思いますが、2016年1月当時のルールだと、

武蔵溝ノ口:7時のみどりの窓口openと同時に受付開始

武蔵中原:始発前に改札が開く瞬間から改札横で受け付け開始

鹿島田:始発前に改札が開く瞬間から改札横で受け付け開始

 

という感じでした。今は違うはずなので参考にはしないでくださいね。

 

で、どの駅でも先客が並んでたらアウトです。カシオペアは1番じゃないと絶対取れません。

溝の口でも7時にオープンですが、5時に並ぶ人がいるときはいます。

 

ということで、始発列車より前に駅にいかないといけません。

なので家を3時台に出て駅に行き、受付してもらうのです。

 

プランとしては、倍率低そうな武蔵中原で1番を取って、溝の口とかに行って先客いなければ7時まで並んでまた1番を取るみたいな方法です。

複数駅で1番を取れれば、とれる確率は上がります。

 

 

ということで、何度かチャレンジしましたが、そもそも1番を取れなかったり、1番でも切符をとれなかったり.....

 

というのが続き、2016年1月8日。

朝4時に始発30分前の武蔵中原に行き、1番を取った後、たしか溝ノ口へ行って1番を確保。

 

結果確認はその日のうちに駅に行けば大丈夫です。

ということで10時を過ぎてから駅へ。

 

溝ノ口はアウト。

そして、武蔵中原で取れました!!!

「マジすか!!!」ってなりました。

 

武蔵中原の係員さんに感謝。

 

ということで1/8に切符を取れたので、2/8の札幌発上野行きに乗ることになりました。

 

ついでに、今度は前日の急行はまなすのチケットも取ります。

といってもこちらは1か月前を過ぎてるのでもう発売済み。

 

急行はまなすも廃止間際なので結構埋まってます。

こちらは自由席と指定席と寝台車があって、寝台はとれず指定席を確保しました。

座席夜行。

結局寝台のキャンセルが出て寝台に乗ったんですけどね。

 

 

ということで、

2/8に札幌へ行くまでにまず、新幹線で新青森まで行き、函館とか青森をぶらぶらしたあと、2/7青森発の急行はまなすに乗り、2/8の朝に札幌に到着しました。

 

札幌出発

 

カシオペアは、札幌16:12→上野9:25(翌朝) とかだったと思います。

 

冬でもまだ明るい16時には札幌から夜行列車に乗るのです。

事前に食料とか飲み物とかを買って、札幌駅のホームへ。何番線か忘れました。

 

手稲側から重連DD51にひかれてカシオペアが入線します。

 

発車までの時間は十数分。あまり余裕はありません。

乗ったらさっそく自室へ。

 

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部屋の奥から入り口側を見た時の写真。奥の左側が扉です。

この椅子が倒すとベッドになります。

 

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部屋の奥のほうは進行方向と垂直向きにもう一つのベッドがあります。

荷物も置けます。

 

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部屋の真ん中にはおトイレ。

 

 

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これはまだ人が乗ってない別部屋の写真。さすがに中には入ってませんが写真だけ。

 

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お部屋の入り口。

下に降りると左右にお部屋。

 

今回乗るのはカシオペアツイン。2階建ての1階の部屋です。

進行方向右側に通路があり、左側が2階建てになっていて、部屋になっています。

 

ベッドは二つあり、一つは線路と並行、一つは線路と垂直のL字型の配置。真ん中にはトイレがあります。

 

で、線路と並行なベッドは座席になります。最初は座席状態で、倒すとベッドになるわけです。

カシオペアのロゴが入った専用のアメニティも完備。さすが豪華寝台特急。これが列車内とは思えないです。

 

シャワーは部屋にはありませんが、車内にはシャワー室があり、乗客にはシャワーカードが配布され、時間指定でシャワーを浴びに行けます。

 

 

そんなこんなで部屋の設備を見ていると、出発。

 

札幌を出ると南千歳、苫小牧の順に停まります。

新札幌とか千歳とかは通過です。

 

というか札幌走ってるのに上野行きなのヤバいですね。今じゃ信じられません。

 

まだ2月なので夕方の雪原を眺めながら南下していきます。

客車列車なので、特急とか快速エアポートよりはゆっくり進みます。

 

そういえば、乗ってしばらくするとウェルカムドリンクが配られました。

どういう方式だったかは忘れましたが、メニューから注文する方式だったと思います。 

 

苫小牧らへんで外は暗くなっていきます。

 

苫小牧の後は登別、東室蘭と停車します。意外に停車駅があります。とはいっても大体の人は札幌から上野を乗りとおすと思われます。

 

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北海道!

 

この辺で、車内探検をしてみます。

 

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シャワーーー!!!

 

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こういうシャワーカードをもらえるので、これで入ります。
 

いちばん前の12号車はラウンジカーになっています。一両丸ごとラウンジ!

すごい。豪華列車!

 

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こちらがラウンジカー。

贅沢な使い方ですね。

 

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ミニラウンジ

 

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自販機ももちろん完備

 

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廊下さえいい感じ。

 

 

食堂車もありますが、完全予約制です。

大学生なのでディナーは無理せず。食堂車は翌朝行くことにしました。

 

 

東室蘭の次は伊達紋別に停まります。

なんで?って感じですよね。

 

ここで後続の函館行き特急スーパー北斗を先に通します。

カシオペアはのろいので、特急に追いつかれてしまうのです。

 

なので伊達紋別は10分くらいは停まります。

 

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281系の特急北斗が先行。

 

 

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真っ暗闇にうかぶカシオペアの光

食堂車です。

 

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このラインがかっこいい。


たしかこの辺で札幌から3時間近くたち、夜19時になります。

 

なので、駅弁を食べます!

そして、サッポロクラシック

 

そしてそして!

車内販売も当然あるので、アイスクリーム!

北海道満喫。

 

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北海道っぽいお弁当

 

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お酒! 

 

で、伊達紋別を出てもこまめに停まっていきます。

 

洞爺、長万部、八雲、森、函館の順に停まります。

 

酒とつまみを味わいながら列車は函館へ。

 

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なんと、室内にテレビ画面があって、現在地が出てきます。カーナビかよ。

 

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駅が近づくとこういう画面が出ます。

 

函館到着は21:06だったはずです。

札幌からもう5時間。

 

気分的にはあっという間。

 

函館では機関車の付け替えで6分停車です。

ここからは青函トンネル用のED79が反対側にくっつき、進行方向が逆向きに。

 

この機関車もこの1か月後にはお役御免です。

 

3月以降は青函トンネルは完全に新幹線と貨物専用になってしまうわけです。

 

函館を出ると夜が更けてくるので停車駅も朝までありません。

次の客扱いは翌朝4時台に仙台です。

 

この日は、朝は急行はまなすで6時くらいには極寒の札幌に放りだされ、ずっと観光していて結構疲れてましたので、函館を出たらそろそろ就寝。

 

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テーブルをたたみ、椅子を倒すとベッドが登場!

機能的!
 

 

せっかくなら青函トンネル突入くらいまでは起きていたかったですが、函館出てベッドメイクしてすぐに爆睡してしまいました。

 

翌朝

 

翌朝もしっかり寝ることができていて仙台とかは全く気付かず。

 

東北では仙台、福島、郡山と順番に停まっていきます。

それぞれけっこうな距離ですが、爆睡してたらあっという間です。

 

朝もドリンクが配られ、新聞とかも配ってた気がします。

 

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カシオペアって書かれたコップ!

 

宇都宮に朝7:50に到着します。やっと朝っぽい時間帯になってきました。平日だと通勤客とかで混雑するのでしょうが、この日は確か日曜だったので優越感が薄いです。

 

朝は、せっかくなので食堂車を体験しておこうということで、食堂車へ。

 

朝食時は満席でなければ予約なしで入れるので気軽に食堂車を楽しめます。

朝食は2種類あってどちらも1650円。洋食か和食です。

 

ほかのおじさまおばさまとの相席でしたが、食堂車にはすぐには入れました。

そして、和食セットを頼みます。

 

まぁ普通においしい。

 

列車内で食べられると思えばすごくおいしい!

って感じでした。

 

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手前が和食、奥は洋食

これが、列車内です。

 

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外を眺めながらメシが食える!!!

最高じゃーーー

 

 

さっきまで札幌にいたのにあっという間に外の風景は日常になってきて、すれ違う列車も見慣れたやつばかりです。

食堂車からお部屋に戻り、優雅な列車旅の最後のひとときを味わいます。

 

そして、朝9時に大宮に到着します。

この日は定刻。遅れてくれたほうが旅は楽しいんだけどなぁーーー

 

大宮の次はもう終点上野!

ノンストップで25分で着いてしまいます。

 

上野東京ラインとか乗ってるときは上野から大宮ってだいぶ遠いですが、札幌から来た列車の最後の25分だとあっという間です。

 

沿線では廃止まで1か月とあって鉄道ファンがいっぱい。

 

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着いてしまう。

 

そして、尾久をすぎるとスピードが落ちてきて、上野の低いホームへゆっくり下っていき、定刻9:25に13番線に到着します。

 

上野の13番線といえば東北方面への玄関ですね。夜行列車はだいたいここから出てました。が、北斗星カシオペアの廃止後はそんな列車もなくなってしまいました。

 

 

名残惜しいですが、列車から出て、写真を撮って上野を去ります。

 

このあと普通に予定があったので都内の大学へ。

夜行列車から大学行くのも面白いですねーーー