オリンピック、パラリンピックに合わせて全国からバスが集結しました。
なんと、数千台規模。
そして、パラリンピックではバリアフリーに対応したクセのある車両が全国から。
そんな前代未聞の一大バスイベントが終わったので、どんな輸送体制が敷かれていたかまとめようというのがこの記事です。
輸送体制概要
オリンピック、パラリンピックの輸送は主に次の2つ。
①選手輸送
②メディア輸送
が主な2軸。
①は、
選手村~各競技場
②
メディアトランスポートモール(MTM)~各競技場
メディアトランスポートモール(MTM)~各ホテル
が主。
派生として、
①、②それぞれに、空港輸送が入ってきます。
空港~とか、空港~選手村。
また、開会式や閉会式の日はそれとは別に特別輸送体制が敷かれ、
選手村~メインスタジアムで数百台規模のバスの隊列運行があります。
また、派生として、バスドライバー輸送や、バスドライバールート確認とか、いろいろ走ってます。
また、メディアトランスポートモール(MTM)は、メディア関係のバス乗り場ですが、メディアトランスポートモール(MTM)からメインプレスセンター(MPC)は別でバスに乗り換える必要があります。
この間と、選手村を結ぶバスが別で運航されています。
メディアトランスポートモール、長いので以下MTMで記載します。
ちなみに、MTMは、ビッグサイトの東棟。MPCはビッグサイトの西棟。
選手村は江東区晴海の海沿いです。
そして、これらにはしっかり採番があります。
このような形で、各バスに系統番号と経由が掲げられています。
例えばこの画像。
TM-というのはメディア輸送。その次のAはホテル輸送。548は通し番号。
つまり、メディア関係者のホテル向け輸送の548系統ということです。
その下には停まる場所が一覧で出てます。MTMから品川方面のホテルに行くということがわかりますね。
選手村~競技場
①はTA系統。
AはアスリートのAでしょうね。
TA-C001, TA-C002....
みたいな感じで、
TA-C系統が選手村から各競技場を結ぶ系統です。
例えば、TA-C008-1は、選手村から馬事公苑(馬術競技)までを結ぶ系統を表します。
約30系統あり、定期的にバスが出てるわけです。
TA-C系統で見た特徴的な車両の一部をご紹介。
愛媛の奥島観光というバス会社。愛媛FCのチームバスとして全面にでっかいEHIMEラッピングがされてる一方、リフト付きという変態仕様。色で言えば今回のオリンピックパラリンピック輸送で一番目立っていた車かもしれません。
この時は、TA-C030-2系統で、選手村~朝霞駐屯地(射撃競技)を結んでいました。
パラリンピック時には、選手村から有明方面の会場には一般路線バスの車両が使用されていました。バリアフリー的に。オリンピックの時は普通の高速バスタイプでしたが。
そんな中、川崎市営バスが川崎市外の都内を堂々と走っているのが特徴でした。
この時は、TA-C015-2系統で、選手村~有明テニスの森を結んでいました。
MTM~競技場
②は、TM系統。
MはメディアのMなのでしょう。
TM-C001, TM-C002...
みたいな感じで、
TM-C系統がMTMから各競技場を結ぶ系統です。
例えば、TM-C006であれば、MTMから東京国際フォーラム(重量挙げとか)までを結ぶ系統を表します。
約30系統あり、定期的にバスが出てるわけです。
TM-C系統のバスの一部をご紹介。
TM-Cは九州勢が多く参加しており、九州全県の事業者がたくさん走っていました。
そんな中、真っ赤で特徴的なJR九州バスも都内で見られて感動したということでここでご紹介。
この時は、TM-C001の、MTM~国立競技場に入ってました。
ほとんどがセレガ、ガーラ、エアロエースでの参戦な中、古いエアロで参戦してきたのが千葉の大日ドリーム。
この系統は、TM-C017で、MTM~辰巳国際水泳場の路線でした。
MTM~ホテル
②のTM系統にはほかにホテル系統があります。
膨大な人数のメディア関係者を宿泊させる場所は都内を中心に点在しており、各ホテルからMTMまでメディア関係者を輸送する必要があるわけです。
メディア関係者は、ホテルからMTMを経由して、各競技場に行くわけですね。めんどくさそう。
このホテル便は、TM-A系統。
TM-A001, TM-A002みたいな感じです。
例えば、TM-A535であれば、MTMから、新橋汐留方面。経由するホテルは複数あり、パークホテル東京、コンラッド東京、ヴィラフォンテーヌグランド東京汐留を回ってMTMに戻ってきます。
ホテル系統は約80系統あります。すごい。
これも定期的に出てます。
なので、選手とメディアの基本的な輸送だけでもう系統数が140とか。
この基本に加えて、ホテルから競技場とかの特殊ルートもたまにあって、さらに増えます。
ここで、TM-A系統の印象的な車両をご紹介。
多くの車両が参戦する中、ヒュンダイのユニバースを走らせていたのは見た限りこれだけでした。
この時は、TM-A551系統。MTMから、品川方面のホテル(Somerset品川東京、ビュロー品川、グランドプリンス新高輪)を結ぶ路線です。
全国各地の事業者が来るので、長野県の伊那バスも参戦。特に特徴があるわけではないですが、私の住んでる江東区の自宅近くの路線に入ってたのでご紹介。
TM-A543系統に入ってました。この路線は、MTM~ホテルルートイングランド東京東陽町、ホテルイースト21東京という、江東区のホテルをめぐるものでした。
そして、空港輸送が別であります。
選手村~空港
選手の空港輸送は、
TA-E系統。
TA-E001は羽田空港。TA-E002は成田空港です。
運行本数はまちまちですが、開会式や閉会式前後は15分毎に5台口で運行とかしてました。そして、この系統の特徴としては、荷物が多いので、バス数台と荷物用のトラックが1台セットで運行するという点ですね。
空港輸送で注目の車両は多くあるものの、ここでは近鉄バスを紹介。近鉄グループの貸切車は数多く来ていたものの、この7002は普段から空港連絡バスで使用されているエレベーター仕様。貸切カラーではなく緑の路線カラーで来てた近鉄バスは珍しいものでした。
TA-E002-3系統で、選手村から成田空港へと向かいました。
クセがすごい富士急の訓練車と思われる800ナンバーのブルーリボンシティ。
中扉にはでっかいスロープが備わっていて、この車両も高速を通って空港へ行きます。
系統はTA-E001-3で、選手村から羽田空港へ向かっていきました。
メディアの空港輸送は、撮ってないのでよくわからないです...
が、各ホテル~空港で輸送があったようです。
選手村~MTM, MPC
そのほか、目立つ輸送としては、
TM-E001系統があります。
これが、MPC-MTM-国際展示場駅-選手村の間の輸送で、これは都営バスが専属で入ってました。
オリンピック、パラリンピックの貸切輸送でありながら専用LEDだったTM-E001。この便は選手村のエントランスから出てきてビッグサイトのMPC, MTMへ向かう便です。
同じくTM-E001。選手村幕はオリンピック感満載で良いですね。
これらとは全く別に、開会式閉会式輸送があります。
閉会式輸送
採番は通し番号。国ごとに乗るバスが決められているみたいで、1から順番に出発時間を少しずつずらして、選手村から代々木のメインスタジアムに輸送します。
例えば、パラリンピック閉会式だと120号車まであり、15分毎に18台ずつ隊列を組んで運行されてました。開閉会式のときは、道路はすべて封鎖されていて途中で止まらないので、1時間ちょっとでスタジアムからバスが帰ってくるので、最初のほうの番号の車は2周とかします。
パラリンピック閉会式の104号車に入っていたのは静岡のセイシン観光の1M。富士重工でリフト付きという非常にレアな車です。
こちらも同じく富士重工。だいぶ前に生産が終わってしまった7Eです。噂によると7Eの量産一号車らしい車体だそうです。この見た目でも高速に行けるようで、閉会式じゃないときは空港輸送とかにも入ってました。閉会式では終盤の108号車に充当。
バス乗務員輸送
採番はないですが、数千台のバスを運行する運転手用の輸送バスもあります。
これは、バスの車庫であるデポから宿泊地まで運転手を輸送するものです。
デポは、MTM系のバスが主に若洲デポ(新木場の近く)、選手村系のバスが主に築地デポに停まっており、そこから輸送バスが出てくる形になります。
輸送先は、代々木の青少年センターとか、和光の大学宿舎とか。
これも結構な頻度で、10分間隔とかで走ってました。
ちなみに、築地デポから選手村までは環状2号が、オリンピック関係専用道になっており、そこを通って出入りしていました。
築地デポっていうのは、言わずと知れた築地市場の跡地です。
中国JRバスの641-1952が、築地デポ~税務大学校和光宿舎の間の乗務員輸送に入ってました。乗務員輸送は、城南観光、中国JR、東都が多かったように思います。
和光ではなく代々木の青少年センター行きの乗務員輸送は東都が入ってました。