2021年7月就航の東京九州フェリーにやっと乗ってきました!
こちらの船に乗りました。
新日本海フェリーや阪九フェリーを運航しているSHKグループがこの2021年になんと新規路線を開設してくれました。
フェリーの新路線が今の時代にできるなんて結構珍しいこと。
ここで、
フェリーのお話
東京九州フェリーを運航するSHKグループですが、むかーし関釜フェリーで釜山まで乗りました。
それ以外には日本海航路や瀬戸内海航路なので関東在住の私には縁があまりありません。
ただ、
今回就航した東京九州フェリーは、オタクにはたまらない長距離フェリー。そして、関東から乗れるという素晴らしいアクセス。
こんなもの体験するしかありません。
そして、就航する船がイカれてます。
全長222mの大型船でありながら、最速28.3ノット。時速50キロ越えです。
巨大な船が海上を50キロで爆走するわけです。
他のフェリーってだいたい時速40キロくらいなので、結構早い。
実際、東京から九州まではこれまでオーシャン東九フェリーが2泊3日で運航してましたが、それとほぼ同じ区間をたった21時間で結ぶのです。
運行も非常にハード。
夜23:45に横須賀を出て、翌21:00に新門司に着いたと思ったら、3時間ですぐに折り返し、23:55に新門司を出航。翌20:45に横須賀に着いて、また3時間ですぐに折り返し。
というほぼ動き続けてるダイヤです。
瀬戸内海のフェリーとかは大体夜九州を出て朝大阪とかに着いて、半日休んでまた折り返しみたいな感じですので、だいぶ大変さが違いますね。
そして、船内がまたすばらしい。
2021年就航の最新船とあって、一番安い部屋でもプライバシーに配慮された個別のベッド。きれいなお風呂や露天風呂、船内の吹き抜けを突き抜けるシースルーエレベーター、などなど。
詳しくはのちほど写真で紹介しましょう。
では、さっそく当日のお話へ。
まずは
横須賀港まで
東京九州フェリーは、東京と名乗ってるものの、東京からは出ません。
神奈川県の横須賀港に新しくつくられたフェリーターミナルから出航します。
ですので、まずは、横須賀へ。
乗船したのは8/26(木)
平日です。
金曜日に有休を取りました~
横須賀の出港は23:45です。つまり、平日に都内でお仕事をしてから横須賀に行っても乗れるわけです。
この日は普通にお仕事をしてから荷造りをして横須賀へ。
最寄り駅は、京急の横須賀中央。JRの横須賀はちょっと遠いです。
ただ、どちらにしろ歩かなきゃいけないので、荷物があるならタクシー一択です。
ということで今回は横須賀中央へ。
京急の快特に乗れば品川から50分くらい。10分毎に走っていて便利なものです。
が、せっかくなのでイブニングウイング号で行きます。
ご存知の通りイブニングウイング号は座席指定制の通勤ライナー的なもの。
乗るのは、イブニングライナー18号
品川21:47→横須賀中央22:33 というダイヤです。
東京九州フェリーは出港の1時間前、つまり22:45に港に来ることを推奨しているので、ぴったりのダイヤ。まさに東京九州フェリーアクセス号と言っても過言じゃないわけです。
横須賀駅に着いたらタクシーで5分くらいですぐに港ですからね。
品川駅に着いて、スマホでウイングチケットを購入。300円。
ちなみに、品川21:39の品川始発の快特に乗ると横須賀中央に22:26とかに着くので、ライナーじゃなくてもそれで座っていけます。
私は、品川の3番線に鎮座する2100形に乗り込みます。
入口でQRコードを見せて乗車する形。ドアが開いてるのは4号車と8号車だけです。
入口でお茶と、ウイング号30周年記念のカードを配ってました!
お茶もらえたらウイングチケットは実質150円ですねー
コロナがなきゃもっと混んでるのかもしれませんが、発車時点で半分も乗ってないくらいでした。一人二席。
品川を21:47に出たら、上大岡に22:16に着くまでノンストップです。蒲田も川崎も横浜も通過します。
が、さすがに前の列車に詰まりまくるので、そんなに飛ばすわけではありません。
特に普通列車を抜かすのが、生麦のあと南太田までないので、横浜の先はずーっとのろのろです。
ちなみにちなみに、蒲田の先はずっと後ろに羽田空港からの特急久里浜行きが後ろにくっついてきます。
この時間帯の羽田からの横浜方面の特急は異例。こいつが、結局京急久里浜でウイングに追いついて、接続を取ってから三崎口へ向かいます。
普通を抜かした南太田の先は爆走して上大岡。そこでまた普通を抜かし、次は金沢文庫。
文庫では羽田からのエアポート急行の逗子葉山行きを抜かします。このエアポート急行は後続の特急の10分前に羽田を出たのに文庫で羽田からの特急にも抜かれます。
文庫から1駅で金沢八景。ここでまた普通を抜かします。普通は浦賀行き。
ここでの接続としては、追浜、汐入に行くなら特急への乗り換え。その他の駅に行くなら普通に乗り換え。
グダグダ騒いでますが、要するに京急やべえ!ってことです。
で、金沢八景を出たらやっと横須賀中央です。
降ります。
ちなみに、改札横にコンビニがあるので、船に乗る前に何か買うならココで。
東口を出て、タクシー乗り場へ。
5分で600円で、フェリーターミナルに着きました。
最新のフェリーターミナル。
1階で乗船手続きをして、2階が乗船待合室。
ここには小さい売店と、コーヒースタンド的なのがあります。
横須賀に着いてから乗船開始まで非常に無駄のない動き。
ちょっと待ったら23:00。そこで乗船開始です。
では、いよいよ乗船。
乗船から船内探検
乗船は3階のボーディングブリッジから。
乗船位置はフェリーの4階後方。
乗ったら右へ行くとインフォメーションとかがある中心ゾーンです。
乗ったのは、ツーリストA
一番安いやつ。
交互になってる2段ベッドです。
カプセルホテルのようなサイズ感です。
これに6000円追加すると、ツーリストS
これは鍵がかかる個室にになっていて、2~3畳の部屋を占拠できます。
チケットとってないので中までは見てません。
それより上はもっといい個室。ステートとかデラックスとか。中身見てないのでわからないです。
とりあえず、荷物を置いてから船内探検。
4階前方はツーリストAとツーリストS。
4階中央にはインフォメーション、ショップ、テレビ見れるところ、キッズルーム。
ショップは夜1時までと、翌日ずっとやってます。テレビ見れるところはNHKのBSが流れてます。キッズルームはコロナで閉鎖中。
もともと新日本海フェリーの小樽便にも入ってたやつだからか、北海道のお酒がたくさん。
4階後方にはドライバー専用区画、ドッグラン。
5階最前にはフォワードサロン。これは明るい時間だけ使えます。
5階前方はツーリストSとステート。たしか。
5階中央は吹き抜け。
5階後方はレストランと、バーベキュー!
レストランは深夜、朝、昼、夜でそれぞれ営業していて、バーベキューは昼に営業します。
6階最前はデラックス。
6階前方はステート。
6階中央はお風呂。露天風呂、サウナ付き! それと映画見れるところ。
映画見れるところはプラネタリウムもやってました。運航中に、映画1本と、プラネタリウム5回くらいやってました。
6階後方はトレーニングルームと、デッキ。
トレーニングルームはコロナで閉まってました。
という船内構成。
これ聞くだけでわくわくするでしょう?
移動が楽しめるのがフェリー旅の最大の魅力ですね。
話は戻って、船に乗った後のお話。
出航時までは4階の外側デッキに出られます。
横須賀港に別れを告げて、そのあとお風呂へ。
露天風呂から横須賀を眺めながら進んでいきます。
左に米軍基地、右に浦賀方面。真っ暗でほとんど見えないですが...
お風呂を上がったら、行く人は夜食営業をしているレストランに行くかもしれませんが、私は夕飯を食べてから来たのでグダグダと共用スペースで過ごし、深夜1時くらいに自室に戻って就寝。
ちなみにツーリストAのベッドですが、枕元にUSBとコンセントの給電があり、横には貴重品スペース。
足元には小さな棚。
ベッドの外側にはキャリーケースを入れられるくらいのスペースと、タオルが干せそうな手すり。
充分快適な設備です。
翌朝
朝は8時前に目覚めました。場所は紀伊半島南東。順調に太平洋を進んでいます。
そして、太平洋のど真ん中ですが、まったく揺れてません!!!
完璧な天気の日を当てました!!!
就航初日とかは海が荒れてて乗ってる人たちヤバかったみたいです。
前夜は閉まってたフォワードサロンへ。
真っ青に広がるおだやかな太平洋。いい景色!
目覚めちゃったら寝れないので、共用スペースでグダグダと過ごします。
あとは外に出てデッキにも行ってみます。
風は強いけど、いい景色。穏やかな海。
というか、この天気でも海上は風が強いんですね。
まぁ、船が時速50kmってのも風の原因ですが。
レストランで朝食営業もしてますが、朝は事前に買ってたパンで済ませます。
ちなみに、船内ショップでも菓子パンとかは売ってますし、船内自動販売機コーナーにはカップヌードルとお湯もあります。
なので必ずしもレストランを使わなくても大丈夫です。
朝9時過ぎになると、右手には和歌山県の最南端が見えてきます!
と言ってもけっこうな沖合を通ってるので陸地が見えるくらいでそれ以上の細かさで見えるわけではありません。
そして、陸地の手前にはなんやら大きな船が。
よーく見たらオーシャン東九フェリー。
あちらも東京から北九州へ向かってますが、東京を19:30に出て、徳島に13:20に到着、14:20に徳島を出て翌日5:35に北九州という感じのスケジュールです。
東京から北九州まで34時間。対してこちらは東京から北九州まで21時間。段違いの速さです。
ただ、向こうは東京のど真ん中、有明から出航します。江東区民としては近すぎて素晴らしい。
客船としての設備は微妙そう。レストランとかないので。
そんなオーシャン東九フェリーは紀伊半島に沿って徳島に向かうので陸地より。こちらは沖合。沖合から爆速で追い抜いていきました。
そのあとしばらくすると、9:30。とあるタイムです。
レストラン後方のバーベキューコーナーの予約開始時間です。
バーベキューは、10時、11時、12時、13時からのどれかを予約でき、各回12人が定員です。
ちょうどいい感じの、12時の回を予約できました。
やったー
これで太平洋のど真ん中で肉を焼く権利を得ました。
その後、10:00頃。
東京九州フェリー名物のイベントがあります。
ちょうど横須賀から北九州の半分くらいの位置です。
北九州から横須賀へ向かっている姉妹船のそれいゆとの行き違いです!
人々がデッキに出てきて、斜め前方を眺めると、見えてきました!
こちらもあちらも時速50キロ。結構なスピードでの行き違いになります。
そして、こちらもあちらも全長220m15000トン
巨大な金属の塊がすれ違います。
北九州行きはまゆうが南側、横須賀行きそれいゆは北側を通過するので、こちらからあちらは太陽が当たって良く見えます。デッキにもたくさんの人がいました!
すれ違ったらあっという間です。
11:30の位置情報はこちら。
暇タイム。
船内イベントのクロスワードをやったり、朝から風呂に入ったりとかしてました。
バーベキュー
時は流れて12時頃。
四国の室戸岬の遥か南側を通過中。
5階のレストランの中を通り抜けて、奥のデッキへ行きます。
バーベキューです!!!
メニューはこちら。
基本のバーベキューセット(野菜+肉)を頼み、必要があれば肉、野菜の追加をするというわかりやすい方式です。
あとは、ライスとドリンク。
ドリンクは、なんとビールも飲めます!緊急事態宣言ですが関係ありません!
最高!
ということえ、バーベキューセットとライスと生ビールを頼み、焼きます!!!
そのあと結局追加で肉も頼みました!
今回は一人じゃなくて大人数だったので、人数分より少ない肉を追加したらいい感じの量になりましたが、追加肉1人前とか頼んだら大変な量になると思います。
そして、量よりも大変なのが、制限時間。
1時間入れ替え制なので、12時から焼き始めたら12:45に食べ終わらなきゃいけない縛りです。
ビールと肉を45分でかきこんでいきました!
ちなみに、お肉ですが、豚と鶏と牛スペアリブに、ソーセージもついてきます。
で、気になるのが風。
船上の屋外なので、風がやばいのでは?
と思うかもしれませんが、船首側からバーベキュー会場の端までは屋根と壁が付いてるので大丈夫です。
バーベキュー会場の船尾側だけが外に開いてる構造です。
酒飲んで肉を食らったら、お会計。
最後に会計用のレシートをもらって、レストラン内の自動支払機にバーコードをかざすと金額が出てきて、それで支払う仕組みです。
自動化されていて、コロナ時代にも素晴らしい仕組みですね!
ちなみに、レストランの支払いは現金のみです。
一方!
船内ショップはなんと!
クレカと交通系ICも使えます。
ただ、陸と通信するからか、ICカードで支払ったときはかざしてから20秒くらいかかりました。
午後
なんもない午後。最高の時間です。
普段は仕事やら何やらに追われていますが、この日の午後は本当に何もする必要がないのです!
こういうゆったりした時間の流れこそが船旅の醍醐味。
船は南西へと進み、15時前には四国最南端の足摺岬沖を通過してから針路を変えます。
四国を回り込んで、15:30過ぎには北へ向かい、豊後水道へと入っていきます。
もし太平洋が荒れてたとしてもここからは揺れが減るんですかね?
ところで、船内には船の現在地マップがあり、リアルタイムの位置が分かる仕組みになっています。
相変わらず電波は弱いので、ダウンロードしたHuluの動画を見たりして暇をつぶし、だんだん外は夕方に。
17:40頃、右手に山々が連なって見えてきます。
これが、四国のめっちゃ細く突き出てる佐多岬半島。
先っちょの上のほうにはたくさんの風力発電。海に突き出てるから風が強いんでしょうねー
左側は大分県の佐賀関。
ここら辺は九州と四国が近いのでフェリーが結構出てます。
大分の佐賀関と愛媛の三崎が1時間
行き来しやすくなってます。
この辺は海も狭くなってきて、だいぶ船も多くなってます。
ちょうど、大分から愛媛に向かうフェリーが見えました。
その先には気になる船が。
潜水艦?????
さらに船は北に進み、左手には国東半島が見えてきます。
が、だいぶ遠め。
そして、ちょうど日没の時間になります。
国東の山に沈む夕日を眺めつつ、上空にはちょうど羽田から大分空港に降りるJALも飛んでました。
完全な日没を狙ってると、レストランが閉まっちゃうので、レストランへ。
レストランの夜の営業は18:00~19:00です。
新門司港入港は21:00なので、夜営業もあるのですが、たぶんお片付けとかいろいろあるので、最終入店は19:00という早めの営業時間なのです。
朝はレストランに行かず、昼はバーベキューやってたので、この航海で初のレストラン利用です。
こういうフェリーのレストランではよくバイキング形式がありますが、東京九州フェリーは普通にメニューを注文する方式。
そして、朝食、昼食、夕食でメニューが微妙に違います。
夕食メニューの中からはお刺身の定食を選んでいただきました。
居酒屋とかみたいにタッチパネルで注文する方式です。コロナ対策も万全ですねー
からの、お会計はバーベキューのときと同じように無人のレジ。
時は流れ、
20:00頃になると九州というより山口県に沿って進む感じになります。
右には宇部が間近っぽいですが、外はもう暗いのでほとんど見えません。
この時間帯は新門司から次々と関西方面にフェリーが出て行き、すれ違っていきます。
ただ、暗くてこれもあんま見えません。
ぶれぶれ
この辺から、ちょっと左にそれていきます。まっすぐ行くと関門海峡。そっちがいろんなお船が通る道。
スピードもだいぶ落ちてきて、時速20kmくらいに。
もう門司はすぐそこなんですが、ここからまだ到着までは一時間。
20:30にはもう正面に新門司港が見えてきます。
荷物をまとめておいてから、デッキへ。
東京九州フェリーの新門司港の位置は一番手前に新しくつくられたターミナルです。
なので、新門司港に入った瞬間に90度回転して到着です。
ターミナルの建物が見えてきたのですが、横須賀のやつに似すぎてて面白いですね~
中の構造は全然違うけど。
20:50過ぎには接岸しましたが、そこからブリッジを付けたり、清掃員が乗り込んだりしてからの下船となり、結局21時過ぎに下船できました。
降りたら1階に行くと、すぐに連絡バスに乗れます!
ここ新門司港は門司とか小倉とは山を挟んだ反対側で、あちらは日本海側、こちらは瀬戸内海側なわけです。
なので、バスで移動しなきゃならないのですが、新門司発着のフェリーは基本的に無料バスを出してます!
なので、今回の東京九州フェリーも無料バスに乗り継いで、小倉に行けるわけです。
待ってたのは西鉄バス北九州の西工の車体。
船から降りた人を待ったらすぐに出発です。
実際には21:11に出発しました。だいたい20人くらい乗ってました。
港からちょっと行くと、九州道。本州方面にも福岡方面にも行けます。車で来るなら便利な場所ですね。
というかフェリーは本来トラックとかのためのものなので、物流的には新門司港はいい位置なのでしょう。
門司駅には21:30くらいに着き、小倉駅の北口には21:45くらいに着きました。
小倉駅の中を抜けてこの日に泊まるホテルへ行き、長い船旅が終わりました。